2017年9月1日金曜日

夕立

浦和駅の近くにある中央保育園から県営団地まで帰るには、こどもと一緒だと40分くらいもかかってしまう。

保育園から帰るときには、準備が大事だ。

まず、自分のショルダーバックを右肩から斜めにかけておしりのところに持っていく。
その上から三女を帯でおんぶする。

持ち手の長めの通園バックを三つ。
おむつやら着替えやらで膨らんでいる。
当時は布おむつの持ち帰りだ。
金曜日ともなると、これに布団のカバー3枚も押し込んである。

三つのバックを両肩にかけて、それだけではこどもの手を引いてかがむとずり落ちてしまうから、ヒモで両方のバックの持ち手を両側から通して首の後ろでぎゅっと結んでおく。
こうすると、肩からバックが滑り落ちることがない。

で、杖を右のわきの下に挟んで、左は次女、右は長女で歩いていく。

通りの右側はまだ側溝にフタがなくて、落ちたら死ぬことはないけど危ないので危険な側は長女に歩かせていた。

保育園を出ると間もなく雨がぽつりぽつりと落ちてきた。
早めに長女と次女にはカッパを着せた。
急がせるのだが次女は3歳になったばかりで、なかなか歩けない。
常盤公園の横は土地が低いらしく、ものすごい水たまりだった。

雨がザーザー滝のように降りだした。

雷も鳴りだし、稲妻が光るたびに足にしがみつく。
私だって怖い。

誰か、助けて!

たまに通り過ぎる車は大きな水しぶきを私たちに浴びせていく。

水たまりの中で次女はしゃがみこんで歩かないから、杖を小さくたたんで通園バックに差し込み次女をだっこする。
もう重たいから片手では支えられないので、両手で抱く。

私は体を反らせて左手で右手首を掴んで次女を支える。
背中の三女はずぶぬれだ。
長女は左の手を上げて、私の右手をつかみ、ゆっくり歩いていく。

足元は水がひどく溜まっていて、足首くらいまではあったろうか。

端っこはドブで落ちるから、危ないからもっとこっちで。

三女は背中で泣くし、二女はくたびれてぐったり。
雷がなるたびに、びくっとしてしがみつく。
長女も泣きながら足にしがみつく。

また車の水しぶきがぶつけられる。
助けて!助けて!

私も長女と一緒に三女と一緒に、わあわあ泣いてしまった。

4歳の長女は泣きながらも 側溝にはまることなく家まで連れていってくれた。
雷鳴と稲妻と土砂降りの中を。

2 件のコメント:

  1. こんばんわ!おざです
    私も負けず劣らず誤字脱字王ですが
    ご了承ください(笑)

    アップしてある全ての記事読みました!
    よっこママの文才に拍手!
    さらに内容がおもろすぎて
    もはやズルい!(笑)
    今の素敵な三姉妹がいるのは
    よっこママの子育てが成就したからだと言えるのではないでしょうか?
    3人とも
    賢くて
    明るくて
    なにより一緒にいて面白い!
    才能に溢れた3人を育てた
    経緯や生活を垣間見る事ができて
    私も刺激になります!

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  2. お久しぶりです、弥生です。
    よっこさんブログ書くってすごいですね!
    私からしたら、こども一人育てるのも大変なのに三姉妹なんて未知数です。
    ずぶ濡れの中、赤子背負って、三人が歩く姿がとっても想像できて感動しました。長女は強いですね。
    水しぶきをかけてくる車は、高速道路を走ってきた大型トラックな気がします。
    私からのチュウモンで、どうやってブログ書いてるか知りたいです。

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