団地に住んでいた時のことだ
ベランダで洗濯物をはずしていた。
1歳と0歳の娘たちはよく眠っている。
窓からの風は気持ちがいい
お隣も窓全開らしい
何人かのおくさんたちがお茶しているようだ
話し声がよく聞こえてくる
「でもさ、目が見えないのに二人も産んでねえ!
子育てできるんかしら。
あぶなくってみてられないわ。
面倒もみれなくてよく外に出てくるわよね!
目が見えないくせにね!」
えげつない笑い声がする。
聞きたくもないのに、じっと耳をすませてしまった。
本当だ、目が見えないくせにだと思う。
歩くようになったら、どうやって追いかけて行ったらいいんだろうか。
私は静かに網戸をしめた。
お日さまの匂いのする布おむつを2枚ずつ三角にたたんでカゴにいれていく。
悔しくて涙がぼたぼた落ちてくる。
これからだ
これからはもっといやなこと言われる。
子どもたちも言われるだろう。
いじめられるんだろう
私は夕食の準備を始めた。
もう長女はいろいろ食べられるようになってきているから
まずはしっかり食べてもらうことからだ。
あぶなっかしくてみてられないから、何か手伝えることがないのかなー?って話せる大人になりたいな。
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