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2018年11月17日土曜日

女性アレルギー

「女性なんですか? 
僕、女性に触りたくないんです。 
男性の人はいないんですか? 
それじゃあ、ヒモの様な物はないですか?」 

「ヒモ?紐ですか?そうですねぇ…
申し訳ございません。 
男性の物がおりませんので
こちらでご辛抱いただけませんか?」

そう言って、その乗務員さんは 
上着の裾の中に手をいれて、
スカートのベルトを外して、
盲人男性の手に触れさせた。 

何言ってるんだよ。わがままねぇ! 

…なんて。 
見かねた周りのお客さん達が 
ぶつぶつ言っていた。 

その女性アレルギーなんだかの 
盲人男性はそのベルトに掴まって 
出口の所まで誘導されていった。


これ、新幹線の中での出来事。
 
私たち障碍者は改札口で、 
駅員さんにお願いすると 
電車の扉まで連れて行ってもらえるし 
降りた時にも、
乗り換え口までとか、改札口まで 
連れて行ってもらえるサービスがある。 

もちろん無料。 
私も1人で初めて行く時にはお願いしている。 


世の中にはいろんな人いるのですね。

2018年10月23日火曜日

ホームが動いた

「わあ!!ホームが伸びた! 
ホームが動いたよ!」

銀座線のホームでのこと。 
列車が入ってきて 
ホーム扉が空いた時、
 
友達がびっくりして声をあげた。 

ホームと列車との間が
かなり空いていたから 
気を付けてね。と 

私に言おうと思っていたら 
ホームの縁がビューっと 
せり出して、あっと言う間に 
電車との隙間を無くして
しまったんだそうだ。 

すごい!すごすぎる!
 
『本当?』と、
私は慌てて白杖で 
せり出した部分を 
トントンと杖で叩いてみた。 

明らかに鉄板の材質の音だった。
 
以前何度か 
この隙間に片足を
落として、足にひどい切り傷を
作ってしまったことがある。 

ある時は足を踏み込んで
しまって、向こうスネを 
列車の縁にぶつけた事も 
嫌という程あった。

列車の中から 
窓越しに見ていてもらったら 
ホームドアが閉まると一緒に 
せり出したホームは
引っ込こんでいったとの事。 

やっぱりすごい!
なんて親切な日本の技術。 

元の事は 
よっぽど気を付けて
見ていなければ 
誰にも気が付かれずに
いるでしょう。 

目の見える人たちにだって 
安全が高まったことは確かし。 

みんなに知ってもらいたかったですよ。 
このシステムは、
て言うんでしょうね。
技術開発してくださった 
エンジニアのみなさん 
ありがとうございました。 

2018年10月19日金曜日

腕引き

トリックモーションに
ならないように、
正しくバーを引かなければならない。
 
前回までは、ただバーを
引いてみましょうと 
コーチから言われただけだった。
 
今日からは腕の後ろ側の
筋肉をつけて、伸びきった皮を
短くするための運動だ。


ケガをして、
しばらく走れない私は 
ジムで筋トレを始めた。 

個人のジムなので 
盲人の私とパパを 
受け入れてくださった。


目の前に50cm四角柱の
の柱から吊り輪が2つ
ぶら下がっている。 

正面に座って 
このバーを引く

手のひらは天井へむけて 
バーを握って構える。 

このままの位置で 
後ろへとゆっくり息を
吐きながら引いていく。 

この時に手のひらは 
内側に回しながら引いていく。  

目一杯引ききると 
グーは胸の外側 
20cm程のところへくる。 

手のひらは内側を
いていなくてはならない。 
上手に引けたなら 
腕の後ろ側と 
背中の筋肉を 
使っている事になる
のこと。 

次はゆっくり手のひらを 
上に向けながら 
肘をのばしていく。 

最後まで伸ばしてはいけない。 
ちょっと肘が曲がっている所から
2回目を引いていく。 

息もしっかり吐く。

最初の時は 
二日後腕周りが
カッカ熱くて
ひどい筋肉痛になった。 

ちょっとは脂肪取れたんじゃないかな?

効果が出るまでには 
3ヶ月もかかるんだって。 

飽きっぽい私 
続けられるかな。

2018年8月23日木曜日

パーソナルトレーナー 

ひょんな事から 
パーソナルトレーナーを 
仕事としている言う人に
出会うことができた。 

ランニングなどの 
本を読んでいると 
トレーナーの専門家達の
話が出てくるから 

そんな職業があることは 
知っていたけれど 
私の住んでいる 
こんな田舎で出会えるとは
思ってもいなかった。
 

都内で活動している 
その方は初めて 
マラソン走る人や 
走って痩せたいと
言う人とか 

もっと 
記録を良くしたい
と言う人たちの 
コーチをしている。
 
基本個人授業だから 
一緒に走ってみて 
足の上げ方や 
腕の使い方など 

また
ストレッチの方法なども 
織り交ぜながら 
指導されていく。
 

『盲人の私でも
もしてもらえますか?』


「盲人の人を 
指導したことは 
ありませんけれど 
どこまで出来るか 
やってみましょう。」

というわけで 
私は生まれてはじめて 
パーソナルトレーナーと 
契約して頂ける事になった。
 

実際フォームを 
まだ見て貰ってはいない。


伴走ロープ持ちながらの 
フォーム作りだから 
どんなことになるんだろう…



練習の提案は 
メールで送られてくる。
 

私が地元で 
そのランニングメニューに
従って走ってみる。
 

その後どんな感じで 
疲れたとか
楽だったとかを 
報告していく。



「暑い中、30キロ
よく頑張りましたね。 
ゆっくり休んでくださいね。」


なあんて優しい 
メッセージが 
返ってくると 

『よっしゃ!よっしゃっ!』と 
次も頑張ろうと 
言う気持ちが盛り上がってくる。



契約しているとはいえ、 
優しい言葉は 
何より嬉しい。


今までは只々 
ぼんやりと走っていた私。

今度はもっと、
ちゃんと走っていける様に
なれるかもしれない。


諦めていたフルマラソン 
4時間を切る目標も 
叶えられるかもしれない。 

楽しみがまた、1つ増えた。

2018年6月23日土曜日

海苔

「コンビニのおにぎりって
海苔が別だからパリパリでいいんだけれど 
開けるとほらボロボロになっちゃうでしょ。」


あれ?知らないの?
おにぎりの食べ方さ?

おにぎり業界は素晴らしい事
考えていたんですね。

なんですって??

端っこのフィルムのテープ引っ張ったら
フィルムが左右に別れて
それぞれ三角の角っこを引っ張ったらあら不思議。
 
綺麗に海苔がおにぎりを
くるんでいるんじゃありませんか。

へえ。スゴイ!
素晴らしいアイデア。

教えてもらう前までは
テープ剥がしたり
広げたりしていたから
海苔がバラバラになってしまっていた。

目が見えれば1本赤い紐が通っているから
それ引っ張れっとすぐに分かるとのこと。

2歳の子だって日本語知らない人だって。

おにぎりのテープだって
手をとって教えてもらわなくっちゃ
分からなかったんですよ。

長い間ね。
破れ海苔くっつけて
食べていた私です。

でももう大丈夫。

2018年4月12日木曜日

ブラインドメイク物語

先日
ブラインドメイクへの
コメントがあって

ネットからダウンロードして
読めるようになったので
早速読ませていただきました。

マスカラ、
アイシャドウは4色
アイラインまで
入れられ
眉まで書くこと
できる。とのこと。

素晴らしい。
私も覚えたいです。

「あなたは
見えていないけれど
周りの人達は
皆見えているのだからね。」

この本の中に
紹介されていた
全盲の方の
お母さんの言葉でした。

全盲の世界には
鏡が無いので
ついつい
面倒なこともあって
お化粧には触れないように
している毎日。

「お化粧していない人だっているし。
お化粧しなくたって平気よ。」

たまにそんなこと言ってくれた
言葉を楯にしていたの
かもしれません。

もうずいぶん前から
資生堂では
盲人のために
点字のテキストを作ったり
容部員が
お化粧の講習会などしていて
何度か参加した事は
あったのですけれど。
 
マスカラまですることが
できるなんてびっくりです。

今更かな。
とも思いますけれど
大阪までレッスンに
通ってみようかな
っと思い始めています。

また最後の方では
お食事の仕方
歩き方、座り方、立ち方
マフラーの結び方
ホットカーラーなど
多岐にわたっての指導も
されているとのこと。

そちらの方も是非学べたら
と思いました。

コメント書いて下さった方
本当にありがとうございました。



2018年1月19日金曜日

閉店時間

先日、有吉佐和子の小説「閉店時間」を読んでいたらびっくりしてしまった。

もう40年ほども前に書かれたもので。
他愛もない話で、デパートに務める3人の独身女性たちの私生活を描いたものだったのだけれど、その中の一人の女性が朗読のボランティアをするっという話だったんだ。

彼女は仕事を終えると高田馬場にある日本点字図書館に行ってリーディングサービスをするための朗読の勉強をしていた。
そこでは大勢のボランティアの人達と一緒にプロのアナウンサーからの手ほどきをうける。
上手に読めるようになった彼女は、スタジオで盲人の私たちのために作品を録音していくという話だった。

彼女は常にその与えられた本を持っていて時間があると読みこんでいて、つかえてしまいそうなところにはチェックをしたり、漢字の読み方の確認をしたりと具体的な様子が書かれていた。

しかもそこで黒柳徹子さんに会ったなんても書いてあった。
かつて有名になった窓際のとっとちゃんは実際に黒柳徹子さんが朗読したものが貸し出されている。

新宿の高田馬場駅の近くにある日本点字図書館は『ニッテン』と呼ばれていて、盲人のための特別な施設で、白杖などの生活用具を売っていたり、点字の本を買ったり借りたりもできるし、朗読された本も借りることができるところ。
きっと、有吉佐和子さんも関わっていたんだろう。

私もパパも、どれだけ朗読された本を借りてきたかも分からないほどだ。
なのに、朗読してくださっている方たちのこういった努力を考えてもみたことがなかった。

40年ほど前にはオープンリールといって、CD版ほどもあるセロテープのおばけのようなテープを大きな機械に乗せて聞いていたんだ。
高校生の頃には時間もあったから毎日聞きまくっていた。
そしていまでも毎日聞きまくっている。

友達の少ない私にとっては本こそが友であり相談者でもあり、またなぐさめてもくれるし、良いアイディアを出してくれたりもする大切な友達。

朗読をして下さっている方たちに感謝の気持ちを伝えたいと思っているところなんです。

日本点字図書館
http://www.nittento.or.jp/

2017年11月24日金曜日

アマゾン

「あ、どうしよう。杖が折れてしまってます。」

会社の扉の前で私は 人にぶつかって白杖が飛ばされてしまった。

とても上品な男性が謝りながら私の手に白杖を拾って戻してくださった。
私はお礼を言いながら白杖を持ってみると、グラグラブラブラしている。
私のは折りたたみ式の携帯用の白杖なんで、その繋ぎ目のところが折れてしまっていた。
相当使い込んでいたからはげちょろけているし、ずいぶん繋ぎ目も劣化していたんだろう。
でもこまった。

その男性は、弁償するからと言って、いくらぐらいのものですか?と、尋ねてくれた。

私は、
「お金をもらっても、その辺に売っているものでもないからすぐには買いにいけないし、それよりも家に帰れないです。」

予備の白杖を用意しておくんだった。
男性は、どこに売っているのかと聞いてくださる。

高田の馬場にある、と説明していると、どうも手元に集中しているようだ。
スマホで調べている気配がする。
その男性は名刺を出して、アマゾンのものですと名前を教えてくださった。
おもわずアマゾンにも白杖まで置いてらっしゃるんですか?
と、尋ねてしまった。

私は警備員の方に託されてとりあえず出社した。

お昼前、総務に呼ばれて下へいくと、朝のアマゾンの男性が新しい白杖と折れてしまった白杖の修理されたものと、お菓子まで買ってきてくださっていた。

配達の早いアマゾンの方だけあって、2時間ほどで新品の白杖を 届けてくださった。
人にぶつかって白杖が飛ばされてしまったり、満員電車の中で折れてしまったり、自転車に噛まれて折れたりと、もう何十本折って きたことだろう。

でも、こんなことは初めてだった。
もう一度、お会いしたいくらい素敵な方だった。
もう一度、折ってくれてもいいんだけれど。

2017年11月17日金曜日

うっかり

うっかりしてしまった。
電車で帰宅途中、ぼんやりしていたら、いきなり自分のうちの駅名がホームに響き渡ったから、びっくり慌ててホームに飛び降りてしまった。
背中の後ろで、扉はガラリと閉まって行ってしまった。

扉の脇のかどっこに白杖を立て掛けておいたまま、うっかりほんとにうっかり降りてしまったんだ。
ここから家まで歩いて20分。
駅長室で私は事情を話した。

置き去りにされた白杖は忘れ物として保管しておいて下さるとのこと。
その手続きのための書類を代筆してもらっているあいだ、どうやって帰ろうかと考えていた。
タクシー乗り場まで連れて行ってもらうしかないかなと。

「これでいいかな?」

向う側から別の駅員さんが私の手に木の長い棒を渡してくださった。
てっぺんには三角の金具が付いている。
棒には紙がグルリと巻かれていて、ガムテープで留められてあった。

「これは?」

柔らかい声の方で年配の感じだ。
笑いながら、今白杖を作ったんだという。

古いモップがあったから、雑巾とこ外して、カレンダーの裏が白いからそれを巻きつけたんだ、とのこと。
白杖にするためにだ。
短い時間だったのに、世の中には親切で器用な人がいる。
モップを白杖に変身させてしまうんだから、柔軟なアイディア力にびっくり。

私はおごそかに白杖をおしいただいて、一人でいつもの道を帰っていくことができた。

モップの柄は重たいから、それに先っちょが丸くなってはいないから山道を歩くように コツンコツンとゆっくり一歩ずつアスファルトを叩きながら家にむかった。

大昔の盲人たちはこんなふうに竹杖を突きながら歩いていたんだろう。
諸行無常の杖のおとー

長い間、この白杖はうちの玄関に飾られてあった。

2017年11月8日水曜日

カード

今朝、ゆうちょのATMで、お金を引き出してきた。

数年前からゆうちょはすばらしいATMカードを導入してくれている。

このカード、浮き出た名前の部分が点字になっている。

この点字のカードを入れると、受話器で操作ができるようになる。

音声のガイダンスに沿って数字を押していけばお金も出てくるし、残高も教えてもらえる。

以前、銀行のカードだったときにはこうはいかなかった。
駅の階段の下にあるATMボックスの前に立って通り過ぎる靴音を待つ。

電車の音が聞こえてしばらくすると、靴音たちがやってくるから

「すいません。お金を下ろしたいので機械の操作のお手伝いをして頂けませんか?」
と、お願いしていく。

何人かはそのまま行ってしまうけれど、何人かは親切に助けてくださる。

カードを渡して暗証番号も伝えてしまう。

「暗証番号もいいんですか?」
なんて、戸惑いながらもしてくださる。

タッチパネルだから、暗証番号すらタッチすることも出来ないんだから仕方がない。

とっても危険なことだとは分かっているけれど、知ってもいるけれどお金がなかったら もっと困るから仕方がない。

もう何十回と色んな方達に手伝って頂いたけれど、皆さんとても親切だった。

それにひきかえ、何年か前に自宅のそばにある銀行でATMの操作をしてもらおうと、窓口の銀行員に頼んだところ、
責任者の男性が出てきて、
「お客さまの個人情報を操作するわけにはいかないから手伝えない」なんて言うから、わたしはびっくりして、また頭にもきてしまった。

「こちらが頼んでいる金額をごまかして下ろすような銀行員がいるようなところなんですか?」
わたしは怒鳴ってしまったし、すぐに本社にも文句の電話をして、こちらでも散々文句を勢いに任せて言ってしまった。

もちろん解約したのは言うまでもない。

2017年10月18日水曜日

ウエルシア

「このインターホンは、埼玉県建築物バリアフリー条例、視覚障害者の移動円滑化経路の誘導のために設置しています。誘導の必要な方はご利用ください。」

数年前に近くの駅前の空き地にウエルシアができた。

歩道を歩いて、ウエルシア側の敷地を確認していく。

草たちが足をくすぐるけれど、白杖がコチンと当たったのがこのインターホンのついた柱だ。

インターホンを押すと、店内から店員さんが飛んできてくれる。

歩道からは広い駐車場を抜けていくので、お店の扉を見つけるのが難しい。
ウエルシアは薬、雑貨野菜デザート冷食パンけっこう品数がおおい。
しかも夜遅くまでやってくれている。

私は店員さんに手伝ってもらってねぎと卵とうどんを買って、
パパの好きなビールも2本買って、
それから私の好きなゼリーも、ある種類全部読んでもらって、少し悩んで二つ買った。

店の前の横断歩道も渡らせてもらう。
左手に下げた荷物の中のビールが冷たい。
一人で買い物ができた。

冷蔵庫に準備されたものじゃなくて、今買ってきたものをすぐ食べれるんだから
品物も気持ちも新鮮でいい。

埼玉にはすてきな条例があることを知った。
ほかのお店にも広がっていくといいのにな。

みんなに知らせてあげてほしい。

2017年10月9日月曜日

ヨックモック

仕事を終えて、もたもた東京駅構内を歩いて帰宅途中のこと。

「おこまりですか?ご一緒致しましょうか?」

落ち着いていて、静かで美しい声。
若い女性だ。


私は

「お願いします。助かります。」

と言って、女性の細い右の腕に捕まらせてもらって誘導してもらった。

「あの、わたくし、そこのヨックモックで販売員をしていたものです。
よくお客さま、お買い上げ下さっていましたので、お見かけしましたので声をお掛けしたくなってしまいました。
実はもう辞めまして、留学していましてこちらに戻ってきたところなんです。」

この雑踏なか、私に声を掛けてくれる人も、そうでない人も、私からすればみな透明人間だ。

見たことあってもなくても、みな透明人間だ。

盲人に声を掛けて下さるときに自分が誰かは言う必要はないのかもしれないけれど。
見た目という情報が無いので、こんな風にちょっと言ってもらえるだけで心もちがずいぶん違う。
それに何か嬉しい。

女性はホームまで送ってくださり

「お気をつけてお帰りくださいね。」

と言って離れていった。

しかも登山用リュックしょって、ジーパン履いている私に、抜群の敬語で話して下さった。
素敵な女性だった。

その女性とお話をしていて、すっかり酔ってしまった。
その上品さと気品にすっかり酔ってしまって、しばらく良い気分でいられたんだ。

思い出すだけでも良い気持ちになってくる。