2018年1月19日金曜日

閉店時間

先日、有吉佐和子の小説「閉店時間」を読んでいたらびっくりしてしまった。

もう40年ほども前に書かれたもので。
他愛もない話で、デパートに務める3人の独身女性たちの私生活を描いたものだったのだけれど、その中の一人の女性が朗読のボランティアをするっという話だったんだ。

彼女は仕事を終えると高田馬場にある日本点字図書館に行ってリーディングサービスをするための朗読の勉強をしていた。
そこでは大勢のボランティアの人達と一緒にプロのアナウンサーからの手ほどきをうける。
上手に読めるようになった彼女は、スタジオで盲人の私たちのために作品を録音していくという話だった。

彼女は常にその与えられた本を持っていて時間があると読みこんでいて、つかえてしまいそうなところにはチェックをしたり、漢字の読み方の確認をしたりと具体的な様子が書かれていた。

しかもそこで黒柳徹子さんに会ったなんても書いてあった。
かつて有名になった窓際のとっとちゃんは実際に黒柳徹子さんが朗読したものが貸し出されている。

新宿の高田馬場駅の近くにある日本点字図書館は『ニッテン』と呼ばれていて、盲人のための特別な施設で、白杖などの生活用具を売っていたり、点字の本を買ったり借りたりもできるし、朗読された本も借りることができるところ。
きっと、有吉佐和子さんも関わっていたんだろう。

私もパパも、どれだけ朗読された本を借りてきたかも分からないほどだ。
なのに、朗読してくださっている方たちのこういった努力を考えてもみたことがなかった。

40年ほど前にはオープンリールといって、CD版ほどもあるセロテープのおばけのようなテープを大きな機械に乗せて聞いていたんだ。
高校生の頃には時間もあったから毎日聞きまくっていた。
そしていまでも毎日聞きまくっている。

友達の少ない私にとっては本こそが友であり相談者でもあり、またなぐさめてもくれるし、良いアイディアを出してくれたりもする大切な友達。

朗読をして下さっている方たちに感謝の気持ちを伝えたいと思っているところなんです。

日本点字図書館
http://www.nittento.or.jp/

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