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2019年5月26日日曜日

30分

私の仕事はマッサージ。
ベットに横になっている人を
ぴったり30分で全身のマッサージを終えなければならない。

早く終わっても長くなってもいけない。
っというのも、
「あの人の時は35分だったよね。
私なんか28分しかしてもらえなかったもん。」
なんて言われ兼ねないから。

目が見えさえすればなあ。
壁にかかった時計をちらっと見ては
マッサージの進み具合を微調整することができる。

露骨に腕時計のボタン押して
音声を出す訳にもいかない。
そんな訳で、白衣のポッケには、
触読用の時計が隠しててある。
 
時々、患者さんが向こう側向いている時に、
ちょっとポッケに手をさしいれて時間をチェックする。

そしたらこの間、時計の上蓋が半開きだったみたいで、
糸くずが時計の針に絡まっていて、
針が止まっていた。
時間が分からなくなってしまった。

しかたなし、何と無くの勘で終えてみた。
慌てて患者さん帰られてから、
別の音声時計で確認してみたら、

はい!ピッタリの30分でした。
びっくりでした。
    

2019年3月8日金曜日

無痛死1

椿姫の最後のメイドさんの手紙には
「お嬢様の最後は相当苦しがられて、
あんなに衰弱されていたのに、
ベットの上に立ち上がって
しまったほどなんです。」っと。

昨日読み終えた森村誠一の
銀のホテルの中にも
「90歳の衰弱しきったくもんは
信じられないほどの力を
だして死んでいった。」っとあった。

怖い。

義理の母が息を引き取る前の日に、
お見舞いにいったのだけれど、
その時、「はっはっはっ」と、
走った後のような息をしていただけだった。

でも姪っ子の看護婦さんに聞いたら、
この状態は溺れているような感じだと言う。

私は一度プールで本気で溺れかけたことがある。

鼻と口から水が入ってきた時、
頭の中はどうした訳か、
異常に澄み切って、

ああ。このまんま、死んじゃうのかも。と、
思いながら、苦しくて、もがいてしまったことがある。
怖い。 

あの時聞いた、義理の母の息使い。 
「はっは」っと 
真似してみたりしてみる。 
怖い。
あの溺れかけた時の状態が、
ずっとずずいていたんだ。
苦しかったろう。

2019年1月15日火曜日

二十歳になった盲人のみなさんへ

二十歳になった盲人のみなさん 
おめでとうございます。


全盲の人、弱視の人、
今まさに視力が落ちてきている人。 

色んな人たちがいることでしょうね。
 
私も7歳の時に全盲になってから 
早、50年となりました。 

周りの盲人の人たちは、
マッサージ師なっていたり 
教員になっていたり 
パソコン使いこなして 
会社に勤めていたり 
または、何もしていなかったりと、

色々な人たちいますけれど 
自分で働いたお金で外に出て、
お友達を作って遊びにいったり、 
運動したり、また、結婚したりして、
子供もできたりして、
人生それなりに楽しめるようですよ。 

視力に対して、きっぱり諦めがつきさえすれば 
こっちのもん。 

生きてて良かったって 
必ず思う時が来ますから 
まずは、何が出来そうか?
 
そこから考えてみましょうよね。 
人生辞めたくなる時って誰にでもあるみたい。 

でもね、目が悪くたって、
結構面白い事が出てきますから。 

めげずに、腐らずに、行こうよね! 

2018年12月20日木曜日

楊枝コショー

そういえば、
楊枝コーヒーを作って思い出してしまった。 

学生の頃の事。
盲友たちとラーメン屋さんに行った時。 

これ、コショーだから。
と、弱視の男子。 

ラーメンにふりかけてしまったのが 
楊枝入れだった。 

湯気がポッポ上がっている
ラーメンの上にたっぷりの楊枝が 
散らばってしまった。 

これが全盲なら 
お店の人に聞いて、
かけてもらうのだけれど、

弱視だったから
こんなことが起きてしまった。 

30年も経っているのに 
忘れられない
強烈な出来事。 

みんなでワイワイ笑っていたっけ。

2018年12月18日火曜日

職場開拓

私は温泉のアカスリが大好き。 

アカスリって本当に裸んぼで 
ベットに横になって 
ゴシゴシと韓国製のガサガサタオルで 
擦ってもらう。 

その時、恥ずかしいから 
自分のタオルで下腹部を隠しておく。 

でもうつぶせになって 
お尻のあたりやら、
ももの付け根のあたりまで 
ゴシゴシしてもらうのだから 
そんなことも言ってられない。 

アカスリの人に聞いてみれば 
男性もするんだそうで。 

「裸んぼの方も恥ずかしいけれど 
擦る側もなんか恥ずかしいでしょ?」 
そんな話をしていた。 

そこで、私はひらめいてしまった。 

おお!このアカスリこそ 
盲人にうってつけの仕事じゃあないかなって。 
マッサージはできているのだし  
恥ずかしいところがみえない。 

横になっている方も気がラク
なんじゃあないかなって。 

どうでしょう? 

職場開拓になるんじゃあないでしょうか?

2018年12月16日日曜日

引っ越しには色テープ

引っ越しって大好き。 

何年か住んで,
荷物に埋もれかけた頃に 
引っ越ししたくなる。 

色んなことリセット出来るようで。 

ま、それよりなにより 
マンネリ化した生活に 
気忙しさがやる気をださせてくれる。
 

引っ越しには段ボール箱を
ピークの時には100箱位も
あったかもしれない。 

何せ結婚30年で5回しか出来なかったけれど。

子供3人の荷物もあった時には 
そりゃ大騒ぎで楽しかった。 

目が見えたなら、
その1つ1つのダンボール箱に 
新しい家の部屋の行き先を
書いておかなければならない。 

私でも、数字くらいなら
なんとなく書けるけれども 

書いた時は触る事が出来ないので
後になって、その箱に書いたかどうか
確認ができない。 


っと言うわけで、全盲の私の場合。

色のついたガムテープを用意して 
小さく切っては貼っていった。 

引っ越し先の家の各部屋の前には 
赤。青。緑。と貼っておく。 

これで作業員の人たちも 
迷わずに運び込むことができる。 

大量の箱。何がなんだか 
分からなくなってしまうから、

いちいち点字を書いて
小さく切って貼っておく。 


こうしないと、
どれから開けていくかの 
優先順序がわからなくなって、
いよいよ本当に大変なことになってしまうから。 

これがちょっと面倒だったけれど。 

また、引っ越ししてみたいな。 

2018年12月14日金曜日

目が見えないからどうしよう

挑戦してみるべきかどうか、
目が見えない私は悩んでいるんです。 

ネットで調べてみたら 
ディスコダンス教室があるではありませんか。 

しかも通勤で通り道の
池袋駅西武デパートで行なっている。と
あるではありませんか? 

ああ!私の夢の1つは
40年前に流行っていた、 
原宿で踊っていた、 
たけのこぞくで踊ってみたかったこと。 

ジュリアナみたいに 
かっこよく踊ってみたかったこと。 


きっと、ディスコダンスだから 
大勢の人たちを対象に
先生がステージの上かなんかで 
お手本して見せて、
それで、みんな躍るんでしょう。 

社会人でもいいってあったけれど 
やっぱ無理かな? 

ステップの説明できる 
ガイドさん何ていないものね。 

やっぱ踊ったことある人とか 
そういうのが好きじゃなきゃね。 

どなたか、私。指先56歳をサポートして 
連れていってくださる方は 
いらっしゃいませんかぁ?

ディスコダンスしてみたかったんです。 

ジルバのステップは踏めるんですけれどね。   

2018年12月13日木曜日

ブルトゥースイヤホン

アイフォンで使うための
ブルトゥースイヤホンをみに 
ヤマダ電機に行ってきた。 

なんて沢山の種類があることあること。 

本当にコードがなくて 
耳の中に差し込むだけ! 

これ、補聴器とおなじ。 

幼時用の手袋の様に 
イヤホン同士をヒモで繫いで
首にひっかけておいて 

外れても失くさない。と言ったもの。 

イヤホンに柔らかい 
のの字のフレームがくっついていて 
スポーツしながらでもブレずに
音楽が聴けるよっと言うものまで。  

以前、聴覚障碍者の人が 
補聴器をしていると恥ずかしいから 
髪の毛を長くして、
耳を隠しているの。
と聞いたことあったけれど。 

今や補聴器だかブルトゥースイヤホンだか
きっと分からないでしょう。 

コードレスのこっちのイヤホンの方が 
かっこいいものね。  

私は本当ならBOSEとやらの 
18000円もするのを買ってみようか?
ともおもったのだけれど

パパとお揃いで4000円ほどのものにした。 

こんなに安くても、
今まで使っていたヒモ付きイヤホンより 
はるかに音がきれいで 
透明感があって 
聴き易くてびっくり。 

買ってよかった。 

THE ALFEEの高見沢さんの声が
よりセクシーったらありゃしない。

2018年12月12日水曜日

個室で観察

会社のトイレの個室の中。 

洋式のホット便座なので 
のんびりと座っている。 

”あ!この人もだ”

ガタガタと隣の個室のドアが開いて 
コツコツと靴の音が真っ直ぐに扉から出て行った。 

ほらね、手洗ってないでしょ。 

人の姿が見えなきゃ 
手洗わずに出て行く人が多い。 

手を洗わずただ水を流しただけで出て行く人もいる。 

手を洗えば水がジャバジャバと
はねる音がするのに 

それがないから分かる。

結局お手洗いで手を洗うのって 
人から見られているから、
きれい好きを装おうための 
パフォーマンスなのかも。 

実はその1人が私。 


そりゃ、色んなもの 
触った後には石鹸つけて 
洗わせてもらうけれど。 


もちろん、おにぎり作ったり 
お料理する前には、手を洗うけれど。

 
個室内で統計とってみると 
半分以上の人達が手を洗っていないと思う。 

みんなこんなもんでしょ?  。

2018年12月11日火曜日

Siriが買うカフェオレ

自販機の前でアイフォン取り出して 
Siriに声をかける。 

『ホットのカフェオレ1本買って』 

「はい。 
引き立て味わいのカフェオレ280ml
がぶっと濃厚カフェオレ350ml
人見て味変えるカフェオレ180ml 
どれにしますか?」 

『じゃあ、最後ので』 

呟いた途端、ガタンと音がして 
取り出し口にアツアツカフェオレが出てきた。 

今日はどんな味なのかな? 

昔は自販機で飲み物買いたくても 
人に頼まなければ買うことすらできなかった。 

今は盲人だって
どこの自販機だって自由に買うことが出来る。 
アイフォンかざす事も、
タッチすることさえもしなくていい。  

いい世の中になったものだ。


なんて5年後
私たち盲人はきっと言っているでしょう。 

2018年12月10日月曜日

杖ポーチ

良い物を作ってもらった! 

折り畳んだ杖をいれる細長いポーチ。 













畳んでも30cmはある。

杖はガイドの人と歩いていても 
私はかならず持って歩いている。 

足元が確認できるのは 
より安心して歩くことができるし。 

また、混雑しているところでは 
杖に気がついてくれた人たちは 
道を開けてくれるから 
ガイドの方も楽だとのこと。 

だけれど、お買い物となると 
この杖が邪魔になってしまう。

大量にぶら下がっている洋服を 
触っていく時、
やっぱり両手でなきゃうまく触れない。 

電気製品だって、野菜だって、
触り始めたら、杖が邪魔で、
脇の下に挟んでいたりすると、

先っちょが、とんでもない方に 
出っ張ってしまって、
周りの人たちの迷惑になってしまう。 

だからといって、
バックの中にしまうのは面倒だし。 

そこで、こんな良い物を作ってもらった。 

お買い物の時には 
このポーチを肩から下げておいて 
邪魔になったら

はい!ここにしまって、 
こうしたなら商品に集中して触ることできる。 

いいでしょ?

2018年12月9日日曜日

地下に閉じ込められて

急がなきゃ。 
昼休み時間がもうない。 

会社の昼休みを利用して 
ちょっと離れた所の 
ビルの6階にある内科に行った帰り、 
エレベーター降りて、急いでUターンして、 
会社へと急いだ時、

いきなり階段から、2、3段落ちてしまった。 

なんで? 
階段なんか地下1階のフロアには
無いはずだから、
ろくすっぽ杖もつかずに歩いていた。 

おかしい。 

ガランとしていて、
人の気配すらない。 

あ!そうか。 
エレベーターで地下1階を押すところを 
別の階を押してしまったんだ。 

杖を拾いあげて強く地面を打つ。 

”ターン…ターン…”

良く響く。 
どうやら天井の高い広い空間のようだ。 
とりあえず、エレベーターへ戻ろう。 

階段をあがって杖を振り回してみる。 
エレベーター降りてから、Uターンしながら 
斜めに…
そこから離れるように進んだはず。 

点字ブロックがすぐにあると思ったから 
生意気にななめ渡りをしてしまった。 

なので、方向がまったくわからない。 

もう昼休みの終わる時間が迫っている。 

「助けてください!迷子になりました! 
どなたか?どなたかいらっしゃいませんかあぁぁl?」 

私は必死で海岸にいるような時の様な声をあげていた。 

ぐあんぐあんと声が響いている。
どうしよう。 
エレベーターもみつけられない。 

ここはどこなんだろうか? 

また、叫んでみる。 

叫ぶしかない。 
誰かに頼るしかない…

ああ神様っと手を合わせる。 

「どうされました?」 

おお!救いの声。 

どうやらそこは地下2階の車の駐車場とのこと。 
人がいないはずだ。 

日頃の行いの良い私は 
助け出してもらえることができた。 

よかった。 

会社にはちょっぴりの遅刻。 
あぶなかった。  

2018年12月3日月曜日

朝の100段

今日はなんか体がダルいから 
会社に着いたらエレベーターで行こうかな〜
っと思いながら、会社の入り口を入って行く。 

「おはようございます!
はい。階段はこちらですー」っと。 

もう2年も続けているので 
入口に居る警備員の方は
いつも階段へと誘導していってくれる。 

『・・・あ。はい。』

いいえ。と、言うのも面倒なので 
結局5階まで100段上って行く事になってしまう。  
 

以前、誰からか、
「毎朝の階段は足を強くする」っと 
言われてから、続けている。 

けれど、これといった 
効果も分からないでいる。 

いやっ。
ダルくても、
100段上っていく事が
出来るって事が、効果の現れ
なのかもしれない。 

明日も階段を上ろう。

2018年12月2日日曜日

映画のシーンみたい

ステキな話だなって思う。

パパ「夫」は 
良い人たちに出会えている。 

良い話だなあっと本当に思う。 

パパも一般企業で 
産業マッサージ師として 
社員の健康増進の為、
社内の一室でマッサージをしていた。 

そこへ、会社内の陸上部の人達が
来てくれていた。 

お昼休み、みんなで 
近所を30分程走っていると言う。 

パパも走るんだ!っと言って
話していたら、
伴走をして貰える事になったとのこと。 

昼休みになると、
パパも着替えて靴を履いて
入り口で待っていると
10人足らずの人達がやって来て 
一緒におしゃべりしながら 
走ってくれているんだって。 

それが、長い間続いていた。 
 

駅伝シーズン。 

パパの会社でも 
支店対抗の駅伝大会が開かれた。 

わざわざパパの事も誘ってくれた。 

それも、メンバーの一員としてだ。 

最後はみんなで 
ビール飲んで楽しかったと言う。 
 

優しい人達が沢山いらしたんですね。 

映画にでもなりそうな話。

2018年11月29日木曜日

SOSを発信する植物たち

南アメリカ原産のまめ科の
ライマメと言う植物は 
仲間のライマメ達と
連絡を取り合っていると言う。 

ものすごい繁殖力を持った、1mm程の
草食性のナミハダニがやって来ると、大変だ。 

あっという間に葉っぱを食い尽されてしまう。 
ナミハダニがやってくるとSOSを発信して 
仲間のライマメ達に、
その危険を知らせる。 

それは特殊なニオイ。 

しかもこのニオイでナミハダニの 
天敵のチリカブリダニをも呼ぶ。 

彼等が来てくれれば 
ナミハダニを、あっという間に
食べ尽してくれる。
 
トウモロコシもSOSを発信する。 
トウモロコシの葉を食い荒らすのが 
アワヨトウと言う蛾の幼虫。 

この幼虫がくっつきだすと 
やっぱりニオイをだして 
天敵の小さな3mm程の 
コマユバチを呼ぶ。
 
コマユバチはアワヨトウに 
寄生してその栄養を奪いながら 
成長していく蜂。 

 トウモロコシ達もこうやって 
自分を守っている。

私はトウモロコシが大好き。 

今年も沢山頂いた。 

植物たちは農薬か人間の手によって 
守られているとばかり思ってました。 

これからの季節
缶のコーンポタージュが
一層美味しくなってきますね。 

大切にいただきます。 

2018年11月27日火曜日

盲人ならでは

ちょっと待って。 

先日の「oh my eyes」 
小型機械を眼鏡につけたら 

自分で本が読めるからいいなっと
思ってはみたのだけれど。 

やっぱり不便かな?とも思う。 

実は盲人ならではの特権で 
図書館に登録しておくと 
読みたい本が無料で読むことができる。 

ボランティアの方たちのおかげで 
点字の本の内容を録音したもので 
何十万冊分もあるとのこと。

市場に出回っているもの
全てがある訳ではないけれど 
1ヶ月間で1300タイトル程の書籍が 

毎月録音だったり 
点字本だったりという形で 
アップされてくる。 
 
私にとって最高の時間は 
リビングのマッサージチェアに 
どっぷり沈み込んで…

今なら、清水義範さんの本とか 
聞きながら、コーヒーを取っては 
チビッと飲んで、みかんを1つむいて。 

思い出したようにかぎ針持ち直しては 
編み物して。 

気が付くとうつらうつら。 
もし目が見えちゃったら 
編み物しながら、
マッサージされて、
みかん食べながら、
本を読むことはできないでしょう? 

せっかく目が見えないんだから 
沢山の本を読んで。 

盲人ならではの 
時を過ごしていた方がが
いいんじゃあないかなって 
思い直したところです。