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2019年3月14日木曜日

高熱

麻疹が流行している。

50年も前になってしまうけれど、
盲学校での寮生活を7歳で始めた時、
寮には沢山の盲人お姉ちゃん達が暮らしていた。

小学生1年生だった私は、
よく可愛いがってもらった。
「お姉ちゃんはどうして目が見えなくなっちゃったの?」
っと、みんなに聞いていた。

「私は赤ちゃんの時、麻疹にかかってね、
高いお熱がでたんだって、そしたらね目が
悪くなっちゃったんだって。」 

「私はよく分からないんだけれど、
栄養失調だったんだって。
今はこんなに太っているのにね。」 

「私はおたふく風邪にかかってね。
高ーい熱が出ちゃって、
そんで目が悪くなっちゃったみたい。」 
 

原因は色々。

私もそうだったんだけれど、
高熱で視神経だかなんかがやられちゃって、
目が悪くなっていた人たちが多かった。

高熱は怖いから娘たちには、
孫ちゃんたちのために、
座薬だけは切らさないようにっと言い続けている。

2019年2月4日月曜日

鬼には角2本

豆まきの後、廊下はガヤガヤ大騒ぎ。 
私たち盲子供達が、鬼に紛した舎監の先生を触って 
ワアワアと歓声をあげる。 

ある時は厚紙で作った 
鬼のお面の時もあったし 
セルロイドで作られたお面を
被っていた時もあったっけ。 

あの頃にも、
ちゃんとカツラがあって、 
「鬼って男の子みたいな髪型だね。」
「違うよ~うちのお父さんもこんなだよ」 
「ええ?うちのお母ちゃんも、こんな風に短いんだよ」っと 
口々にさけんでいく。

先生:「赤鬼には、ホラ、角が2本こうやって。
頭の前の方に生えているんだよ、顔も赤いんだよ」 

「お酒飲まなくても赤いの?
じゃ、お酒飲んで赤い顔って、
鬼に似ているってこと?」 

疑問と感想とが混ぜこぜになって、賑やかだ。
 
少しづつ見える人たちの世界を
触っては、手の平の中に作りあげていく。 

こうやって知識を積み上げては
創造していく力を付けてきたんだと思う。 

2019年2月3日日曜日

豆まき

もう半世紀も前のこと。 

盲学校の寮に住んでいた 
私たちの所へも、
舎監の先生が豆をまきにきてくれた。 

隣の部屋から聞こえてくる 
舎監の先生の声やら、盲友達の
キャアキャア楽しそうな声。 

「次はうちの部屋だねえ~っ」と、
みんなでウキウキしながら待つ。 

扉がガラリと開いて、盛大に豆がふってくる。 

私たちにめがけて、
なぜだか鬼のお面をかぶった、
鬼舎監から豆が撒かれてていく。 

私達、盲子供達は畳に這いつくばって、
手探りで豆を見つけていく。 

「あったよぉ!あったよ!」
「ここには5個もあったから!ほら、あげるねっ」 

12畳と広い部屋。 
腹ばいになって腕や足のももまでを使って
ズリズリと見つけていく。

「ほら!暖房機のほうにあるわよ!」
 
ヒョイッと部屋を覗いた寮母先生が教えてくれる。 
みんな匍匐前進で、そちらの方へと 
もぞもぞと進んでいく。 

「あったー!」・・ポリポリ。 
豆を噛む音がみんなの口の中から聞こえてくる。 

ああ節分だった。  

2018年12月6日木曜日

面白いH

私のパパ(夫)から聞いた話。

学生の時の音楽の先生は
独身の全盲の男性だった。 

40代だったか。 

今からもう30年も前の事。 

福祉サービスも良くはなかったのに。 
先生は1人で旅行へ行ったり、
それも海外までも。 

居酒屋だって、どこにだって 
1人で行っていた。 

弱視の先輩が、
風俗街で先生の事を見たって
言う事みんなが知っていた。
 
俺たちさ、その先生に聞いたんだよ。 

『面白いH出来る所はどこですか?』って。 
『目悪くても大丈夫ですか』って? 

「そしたら先生なんて言ったの?
教員の立場で、何か教えてくれたの?」

全盲教師『そうだなHは田舎じゃ面白くないから 
東京へ行け!Hなお店が並んでいる所がいい!
金さえ持ってりゃ、どこだって平気だ!』 

なんてさ、教えてくれたんだよ。 
で、俺たちもさ、早速、、、。


若い男性達。 
目が悪くたって、そこは同じ。 

こういう逞しい全盲の先輩が
いて下さるってのは大切なことかも。