私たち盲子供達が、鬼に紛した舎監の先生を触って
ワアワアと歓声をあげる。
ある時は厚紙で作った
鬼のお面の時もあったし
セルロイドで作られたお面を
被っていた時もあったっけ。
あの頃にも、
ちゃんとカツラがあって、
「鬼って男の子みたいな髪型だね。」
「違うよ~うちのお父さんもこんなだよ」
「ええ?うちのお母ちゃんも、こんな風に短いんだよ」っと
口々にさけんでいく。
先生:「赤鬼には、ホラ、角が2本こうやって。
頭の前の方に生えているんだよ、顔も赤いんだよ」
「お酒飲まなくても赤いの?
じゃ、お酒飲んで赤い顔って、
鬼に似ているってこと?」
疑問と感想とが混ぜこぜになって、賑やかだ。
触っては、手の平の中に作りあげていく。
こうやって知識を積み上げては
創造していく力を付けてきたんだと思う。
まさに情景が眼の前に見えるかのようです。✴
返信削除