盲学校の寮に住んでいた
私たちの所へも、
舎監の先生が豆をまきにきてくれた。
隣の部屋から聞こえてくる
舎監の先生の声やら、盲友達の
キャアキャア楽しそうな声。
「次はうちの部屋だねえ~っ」と、
みんなでウキウキしながら待つ。
扉がガラリと開いて、盛大に豆がふってくる。
私たちにめがけて、
なぜだか鬼のお面をかぶった、
鬼舎監から豆が撒かれてていく。
私達、盲子供達は畳に這いつくばって、
手探りで豆を見つけていく。
「あったよぉ!あったよ!」
「ここには5個もあったから!ほら、あげるねっ」
12畳と広い部屋。
腹ばいになって腕や足のももまでを使って
ズリズリと見つけていく。
「ほら!暖房機のほうにあるわよ!」
みんな匍匐前進で、そちらの方へと
もぞもぞと進んでいく。
「あったー!」・・ポリポリ。
豆を噛む音がみんなの口の中から聞こえてくる。
ああ節分だった。
豆10個あたりにつき、100円玉一個おりまぜてくれる鬼だったら、もっと歓迎できたのにね。笑
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