2018年1月20日土曜日

お茶くみ

子供たちが小学生の頃、私たち家族5人でスキーフォーライトというクロカンスキーのクラブがあってその合宿に毎年お正月に参加させてもらっていた。
50人ほどもいたかもしれない。
子供たち用のクロカン用の板もちゃんと借りれたので一丁前に滑らせてもらっていた。

このクラブは盲人の人達とガイドさんたちとのクラブだから盲人がやたらに多い。
食事時ともなると宿舎の食堂はやれお代わりだお茶だトイレだ席はどこだとかでごったがえしている。
私も何かお手伝いしたいけれど、と思っていたので子供たちを使うことにした。

『目の見えない人のところに行ってカップが空っぽの人にお代わりないか聞いてお茶くみのお手伝いしてちょうだいな。』と。

小学生3人の娘たちはさっそく走り出していった。
お茶はレバーを倒すだけでカンタンに汲むことができる。
「お茶いりますか?」あっちこっちで娘たちの声がする。
大人たちみんなから褒められてまた楽しかったようでいよいよお食事となるとテーブルに戻ってきた。

『お母さんお茶いりますか?』

私は喜んで空っぽのカップを渡した。
すぐにとことこ足音たてて戻ってきて、私の手のそばにプラスチックのカップを置いてくれた。
暑いほど暖房のきいている食堂でのむ冷たいお茶はとってもおいしかった。
お食事の途中でもお茶の注文があると我先にと3人がお箸を置いて走っていく。
それでキャンディーもらったよなんて帰ってくる。

こうして自然にお手伝いのできる人になっていってくれたらいいなと思う。
空になったグラスを見たらなにか声かけられるような気のきく女性になっていってくれたらなと思っていた。

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