夫の実家に兄弟家族たちが集まって食事をする。
いとこたちの年齢がみんな同じくらいなので10人近くの子供たちが渦になって列になって波となって部屋から部屋へ庭から部屋へと賑やかだ。
義理の父は窓から顔を出したり声をかけたりと楽しそうだ。
母は料理で忙しい。
姉嫁も忙しくお膳とキッチンを行ったり来たりだ。
男たちはお酒を飲み始めているからこちらも笑い声が絶えない。
私はお膳の隅でさっき小皿に入れてもらったおさしみを薄皮をはがすようにちょっとずつたまにかじっている。
義母は、これがおいしいんだよ、と言いながら夫の器におかずを乗せていく。
「たべるか?」
義兄がたまに聞いてくれるが、子供たちと食べるからと丁重に断って、またお刺身を突ついてみる。
子供たちが呼ばれて、どっとお膳が賑やかになった。
私は少し後ろに下がってにこにことするように務める。
子供たちが、おいしいおいしいと勢いよく食べていく。
母もあれこれ勧めたり、レシピを言ってみたりして嬉しそうだ。
私の小皿にはおさしみがまだある。
夫の実家は時間の流れが遅い。
いよいよ、やっと最後だ。
母は手早く皿を片付けたり、拭いたり、洗い物をし始める。
「なますがあるから食べなよ。」
小さな小皿に山盛りのなます。
私はお礼を言ってこぼさないように気をつけながら食べていく。
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