実家に帰る途中、スーパーに寄って買い物をしてきた。
小学生になるとずいぶん便利だ。
お店の人の手を借りなくても何とか目的の物を探してもらえる。
子供たちが見つけてきたポップコーンをおやつにしようと
プロパンガスの五徳にポップコーンの入ったアルミのフライパンを載せた。
それはアルミで出来たままごとで使うようなちゃちなもので、
フライパンの中にはポップコーンの粒がぎっしり敷かれていて、
その上にビニールのようなものが張りつけてあるものだ。
温まるとそれが膨らんで、コーンの粒たちがポンポン中で跳ねて出来上がるっというものらしい。
ガス台の周りに何もないことを確かめてパチンっと火をつけた。
ぼっと恐い音がして、目の前じゅうが熱くなった。
火事だ。
私は、2~3歩後ろに怯んでしまう。
手を前にかざしたら、熱い熱が空気をゆがめている。
手に燃え移りそうだ。
ボーボーいってる。
腕が震え、手が震え、心臓がばくばく言う。
フライパンのビニールに火がついたんだ。天井に燃え移ったら!!
水道の水を全開にして、燃えるフライパンの針金の取っ手を掴んで持ちあげる。
顔が焼かれそうだ。
水道の下へ投げこんだ。
じゅわっとすごい音がして、プラスチックが溶けたような嫌なにおい、焦げたにおい。
どうなっているんだろ。
ジャージャー水の音は続く。
手をかざしてみると、熱はなくなっている。
助かった。
くたりと足が折れてしまった。
心臓のどきどきはなかなかとまらない。
そこへ、ばあちゃんと子供たちが帰ってきた。
真っ黒に焦げたポップコーンたちが
流し台とガス台の周りに飛び散っていた。
「あぶなかったがな。」
みんなで真っ黒のポップコーン拾って、片付けてくれた。
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