2018年5月4日金曜日

二人乗り

二人乗りは駄目ですよ。
降りて下さい。」

「ちょっと遠くて
この方目が悪くて早く歩けないので
自転車に乗っ
もらっているだけなんです。
目が悪いんですよ。」 

「目が不自由なことは
分かりますが
自転車の二人乗り
禁止されていますので
歩いて下さい。」

パトロール中のお巡りさん
一歩も引かない。

私を自転車の荷台に
せてくれている友達は
頑張って言ってくれたんだけれど
お巡りさん
私達の所から離れない様子。


仕方なく私も荷台の端っこ掴んで
二人で自転車を転がしながら 
歩き始めた。

しばらくしてお巡りさん
見えなくなったから。と言うので 
それっ!とまた荷台に跨って
友達もビュービュー
ペダルを踏み入れた。

私が行きたかった所は
駅から2キロ弱の所。

歩くとちょっと時間
かかってしまう。

仕事帰り
イベントへの参加で
時間も迫っていたんで
元の友達が自転車を
出してくれたんだ。


「良いこと考えたよ。
次はきっと大丈夫だから。」

彼女はその日
そんな事を言って送ってくれた。


次の時、
自転車触ってびっくり。

なるほど!
あったま良い。


これなら大丈夫かなあ?
面白がって自転車の荷台を
触らせてくれた友達は
笑っている。


え?ああ!
それはなんとなんと!!

子供用の椅子が
取り付けてあった。

今時の子供椅子は凄い
良く出来ている。

プラスチックで出来た背もたれは
肩くらいまでもあるし
シートベルトまで付いている。

上手くそれらを畳込めば
ただの荷物籠にも
変身できるという優れもの。

幸いお尻の小さな私は
すっぽりその子供用椅子にはまった。


これで2キロ先までスイスイ。
しかも電動自転車だとのこと。

私を乗せていても楽々
ペダルは回るんだそうだ。


「来た来た!お巡りさん。
あ!何も言わずに通り過ぎていったよ。 」


なんだこうして椅子に座っているなら
大人でも二人乗りもありなんだ。 


跨いだだけじゃ駄目ってわけね。


私達は笑いながら
夜風に吹かれながら
イベント会場へと向かっていった。

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