「只今お客様の荷物が扉に挟まった関係で停車しています。」
山手線の車内アナウンス。
それ荷物じゃなくって私の白杖。
駅員さんがすぐに飛んできた。
無線できびきびと状況を伝えている。
「戸袋にですね白杖の頭が入ってましてとれません。
ドア解除してください。
はい。。。」
ごめんなさい。
申し訳ありません。
そばで私は謝り続けている。
混んでいた車内扉の隅っこにいた私は
白杖を邪魔にならないよう戸袋のそばで持っていた。
戸袋の中扉と車体の隙間には
ゴム製のパッキンがあったから
まさか白杖を扉が開く時に
飲み込んでしまうなんて
思ってもいなかった。
白杖の一番上の所は
ゴルフクラブの様なグリップが
20センチ程ついている。
それが悪いことにゴム製だった。
なので、ゴム製のパッキンと扉の隙間に勢いよく飲まれてしまったんだ。
しかも引っ張れば抜けそうと思いきや
白杖は115センチの長さのものが
折り畳んで4段になる。
その繋ぎは管の中の丈夫なゴムで繋がれている。
なのでこちら側引っ張ったって
びよんびよん。とゴムが伸びるだけ。
誰かが言っていた。
電車止めたら物凄い損害だから
何百万って請求されるんだよっと。
貯金いくらあったっけ?
足りるわけないし。
保険責任賠償保険
無制限で入っていたっけ?
「お客様。白杖です。」
駅員さんが私の手に持たせて下さった。
すぐに電車は慌てて走り出した。
何にも言われなかった。
良かった。
0 件のコメント:
コメントを投稿