ガッチャーン

ガッチャーン

廊下で派手な食器の割れる音。


１階で私とパパ「夫」で
保険会社の方とこみいった話をしていた。


本当なら私がお茶を
ささっとお出しすればいいのだけれど。


お茶をお盆で運んで行くことができない。


お盆をどうしても
水平に持つことが出来ないんだ。

盲人には難しい。


私は前もって
小学2年生の3女に
お茶を持ってくるようにと
お願いをしておいた。

コーヒーの淹れ方を説明して
お盆の上にカップとお茶菓子乗せておいて

時間はこれ位になったら
持ってきてと。

手が塞がっているから　
足音したら襖開けるからねっと。

お部屋の中に入ってきたら　
お客さんの方から
静かにコーヒー置いて
どうぞ。と言って
置いていくんだよと。

うちのキッチンは２階にある。

なので3女は守備よく
全てを手順通り整えると
お盆を持って
2階から１階へと降りてきた。

階段真ん中辺りで
手が滑ったらしい。

可哀そうに。
割れたカップとコーヒーで
コーヒー浸しの中
泣いていた。

そんな昔のことを話していたら

3女はバイトでさ
ビールジョッキー8個位
乗せていたのを
階段の途中で
落っことしちゃったことあるんよ。

あん時はびっくりしたっけ。

なんて　
笑いながら話していた。