2018年7月9日月曜日

きたきつね

北海道にマラソンレース参加の為、レンタカーに乗せてもらって 
仲間達と北海道の大地を車で飛ばしていた。 


「おー!何かいる!きたきつねだよ」
っと言って車は止まった。

80cm程の汚らしいキタキツネとのこと。
 
私は、キタキツネが右側に見えるというので
右側をじっと見つめて、耳をすまして、みんなの話を聞く。  

「汚ないね、やせ細って…
ほら、足なんかあんなに細いよ…」
「お菓子あげちゃいけないっていうよな〜」

「いやだあ、ポーズ作っているよ。 
手上げているじゃないの!あら!車のそばにきたよ」 

「あぶないよぉ!誰かお菓子持ってないの?」  
「本当、ポーズ作ってる!写真写真!野生のキタキツネ撮っておこう!」
 
「まだ逃げないよ。痩せっぽちだね。
なんか欲しがっているんじゃないの?」
  
「餌付けはダメだって聞くよ」

車は静かに走り出した。
 

子供の頃読んだ可哀相そうな象の話。
戦時中餌が無くなってしまった。
お腹がが空いた象は、餌が欲しくて、
前足あげたり、お辞儀をしたりと、
痩せ細った体で一生懸命に芸をした。
芸をしたらご褒美にりんごとかを貰えたから。

結局餓死してしまった象。 

あのキタキツネ…
人間達が自然を荒らしてしまって、食べ物が無くなってしまって。

で、人間怖いけれど、イチかバチかの勝負に国道に出てきたんだ。 
お腹空いていたから…

餌付けをしちゃいけないって。
奈良県の鹿達には餌付けしちゃいけないけれど。 

痩せっぽちのキタキツネ…
命かけて車のそばまでやって来ていたキタキツネ

何か食べ物が見つけられますように…

0 件のコメント:

コメントを投稿