2018年10月15日月曜日

キャラメルどこ?

「キャラメルあげようね。」 

5歳のけんの母、ちえは 
縁側にキャラメルを置いた。 

「けんは目がみえるから 
すぐキャラメル 
見つけられていいね。 
だけど、かっちゃんは
が見えないから 
キャラメル 
見つけられないんだよ。 
じゃあ、もう1度ね。」 

ちえはキャラメルを 
縁側に置くと、 
けんの後ろに回って 
両手で目隠しをする。 

「さあけん。
見つけてごらんよ。 
見つかったら全部けんに 
あげるよ」と言う。 

けんは両手を広げて、
手探りで縁側を這いまわる。 

ちえは後ろから 
けんの動きを
邪魔しないように
ぴったりとついて行く。 

「わかんないよ。
キャラメルどこ?
あれ?これはお布団? 
あれ?こっちは落ちそう」 

けんが目を塞いでいる
ちえの指をはがそうとしても
の指ぴったりと 
目をふさいでいく 

妹のかっちゃんが 
遠くの病院で
手術してもらって 
けんみたいに 
目が見えるように
お医者さんに治してもらうから 
おばあちゃんちで 
お留守番しておいてねっと 
説得をしていく。 

ずっと一人で
お泊りは嫌だと
言っていたけんが 
ながしながら 

いいよっと言う。
これは坪井栄の 

だいこんの葉っと言う
作品のひとこまだ
 
文章は滑らかで 
しかも 
関西弁が美しい。


けんが話す関西弁が
本当にかわいらしい。

良いお母さんの 
お手本が満載だった。

子供との話の仕方 
説明の仕方 
どの箇所を読んでも 
勉強になる所ばかりだった。

坪井栄の童話集を全部
読んでから子育てしたかったですよ。 

母子手帳もらうときに 
坪井栄さんの 
童話集も渡されたらいいのに。
 
どんな風にお母さんに
なったらいいのか 
わかんないんですよ。

0 件のコメント:

コメントを投稿