2018年10月16日火曜日

聞き耳立てて

「何で受かんなかったの? 
一生懸命じゃないからでしょ?
Aくんは、この間入ったばかりなのに 
もう受かっちゃったじゃないの。 
何やってんの? 
やる気あんの? 
どんくさいんだから! 
次の時落ちたら
プール辞めさせるよ‼︎
高いんだからね!!
遊んでいる子には
金なんか出さないんだからね‼︎ 
わかってんの!?」
 
電車の中、聞くともなく
聞こえてきてしまった 
隣に座った親子の話し声だ。 

の遠い私に聞こえるのだから 
結構大きな声だったに違いない。 

子供は男の子の様だった。 
まだ小学1・年生位の感じだ。

何てひどいこと言う 
母なんだろうか。

聞いている私は 
目がぱっちり 
覚めてしまって 
胃がしめつけられてしまった。


このお母さんに 
坪井栄さんの童話を 
読んであげれたら…と思う。 

きっと本を渡しても 
読みそうもないから。

このお母さんは、
お母さんなりに 
子供を教育しているんだろう。
 

「だいこんの葉」に出てきた 
チエだったら、
何と言ったんだろうか。
 
「上手にできたね。 
誰だって得意な事あるから 
あのAくん
泳ぐのが得意だったんだね。 

Bくんは神経衰弱 
大得意だもんね。

でも、あの子は 
3か月しかプールに通って
来ていないけれど 
Bくんはもう
1年も通って来ているんだよ。 

続けて通ってきているって
すごいことなんだよ。 
寒くたって来てたもんね。 

じゃ、お風呂で 
目の開け方の練習 
ママとしてみようか?

泳ぐの覚えたら 
ママにも教えてよね。 
夏には市民プールに行こうね」


なあんて 

静かに話している事だろう。









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