真正面からぶつかって来たおばさんが
怒鳴りながら左肘で私の胸あたりを突いてきた。
年末で混雑していた改札口への通路でのこと。
こんなにあからさまに怒鳴られたのは
物心付いてから初めてのこと。
(・・・・はあ?イラッ。ムカッ。)
私は頭にきて、
そのおばさんの左肘を両手で掴んで
『前見ていないのは、あなたでしょう⁉︎
ほら、私は白杖持っている盲人ですよ。
自分の事を棚にあげて、しかも、
肘鉄するなんて、ひどいじゃないですか‼︎』
私は振り解こうとする
その腕を離しはしなかった。
・・・あぁ。これUNIQLOのダウンだなぁ
なんて思いながらも離さなかった。
悔しいもの。
私は私なりに集中して前を向いて歩いている。
「あ。ごめんなさい。ごめんなさい。」
早口でごめんなさいの連呼。
腕を振って私の事を離しにかかる。
(離してやるもんか!)
『よそ見していたのは、あなたでしょ』
私声を高くしてまたくらいついた。
腕は上下に激しく振られて逃げにかかる相手。
『ごめんなさいじゃないでしょう⁉︎』
ユニクロのツルツルダウンが
スルリとやっとのことで逃げていった。
逃がしてあげた。
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