2019年2月1日金曜日

お醤油をかける

たまにだけれど,
全盲の夫と二人して,
キッチンに立つことがある。
 

私『このボールの中にある
大根にお醤油とごま油いれてねえ』

「はいはい」と、調子良く作業をしていた。 

私はこちらで洗い物。 

『じゃあ大根サラダ、器に装ろうか』
と言ってみると。 
「おっかしいなあ、ボールのケツがべたつくなあ」 
流し台の上を触ってみると、
確かにヌルリ。
血のような感触。 
『何これぇ??』

ボールのお尻もべたべた。 

二人とも全盲だから 
触っている状態が何なのかが分からない。 

まずは原因究明だ。 
私は指を舐めてみた。 

・・・やっぱりしょっぱい。 

『これお醤油だよ』
最近流行りの。酸化しないと言う
お醤油ボトルからお醤油をだしていた。 

夫はボトルの脇腹を
勢い良くピューピュー押しまくっていたという。 

指で触ったんだけれど 
常温だからか、出ているかどうかが 
わからなかったから、何度も押したと言う。 

『ねえ、ピュって押したら、
勢いがつくんだから、大根にぶつかって
お醤油がハネるでしょう!? 
しかも何でこんなに流し台が濡れてるの? 
まさか、ピューピューしながら、
回すようにかけたんじゃあないでしょうね??
眼が見える気になって、そんなことするから
ボールの外側にかけていたんだよ。 
きっと、壁にだってはねているよぉ。 
こういうのは静かに押さなきゃいけないよ。』


昔は弱視で見えていたハズなのに 
盲人には「物体は動いている」と言う
空想する法則があるんじゃあないの?   

0 件のコメント:

コメントを投稿