私が高校生のときだ。
盲学校の近くにある大学から、ボランティアの学生がたくさん来ていた。
放課後外で遊んでくれたり、行事のお手伝いや杖歩行の練習など活躍してくれていた。
仲よくなったお姉さんたちから誘ってもらって、日曜日にドライブに連れていってもらった。
お姉さん、お兄さん達に混ざって車に乗せてもらって、ずっと遠い河原にいった。
お姉さん達は、お弁当をたくさん用意してきてくれていた。
ケーキやクッキーなんか手作りで持ってきていた人もいた。
私はただお客さんだから、紙皿と紙コップ渡されて色々ごちそうになった。
学生たちは、よくしゃべり、よく笑っていた。
私は気おくれしながらも、仲間に入れてもらっていた。
ランチが終わると、誰かがビーチボールを出してきたのでバレーボールが始まった。
私は荷物に囲まれて、ビーチボールが打たれる音と学生たちの声をぼんやりと聞いていた。
すーっと、糸のように細い涙が落ちてきた。
ここでは、絶対に泣いたらだめだ。
優しいみんなが嫌な思いをしてしまう。
まぶたをぎゅっと大きく開けて、目を乾かした。
またすーっとおちてくる。
ダメダメと、手の甲でギューギュー目をつぶしてみる。
しばらくして、突然
「ごめんね。」
お兄さんが私の肩に手を置いて静かに言った。
その声聞いたら、一気に涙が溢れてしまって止まらなくなってしまった。
いつのまにか、みんなも集まって来て黙っている。
しばらく背中をなでられていた。
「今度はさ、ユーフォー踊りやろうよ」
お兄さんが大きな声でいった。
やろうやろう
私を引っ張って、踊りの輪の中へ無理矢理に連れて行かれた。
「葉巻型ユーフォー、タコ型ユーフォー、洗濯板型ユーフォー!!」
みんな優しい!
優しいから、泣きたくてたまらない。
何もなかったかのようにして大笑いしながらユーフォー踊りは続いた。
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