2017年9月22日金曜日

どよめき

午後の授業参観が終わって、3クラスの子供たちと親たちが体育館にあつまった。

各クラスごとに親子混ざって1列に並んだ。
送り棒というゲームが始まるらしい。

子供の担任の先生に、
私は迷惑になるので参加しません、と言ったところ
目が見えないお母さんでもできるゲームを考えましたので、ぜひ参加してくださいと言われてしまい、不安な気持ちで並ばせてもらった。

近くのお母さんたちはとても親切で、バーがきたら言いますから大丈夫ですよ、と元気にいってくれた。

ゲームは2メートルほどの棒を二人で端っこと端っこを持ち、
列の端から列を挟んで、まずは肩の高さで列の向こう側の最後まで走り、
そしたら今度は足首くらいの低さで戻って来るという単純なゲームだ。

1組から3組の競争だ。

ビーーッ

と、鋭く笛がなる。

バーを持った子供たちが 床を蹴って
バタバタ近づいてきた。
あっと言う間だ。

私は教えてもらって、最初から頭を下げて中腰になっていた。
風を残してむこうへ行った。

子供たちも親たちも声援が爆発している。
接戦だ。

低いバーがやってくる。

ジャンプの音がウェーブしながら近づいてきた。

2組、3組のジャンプウェーブが音高く響いている。

前のお母さんが飛んだ。

名前を呼ばれる間もなく

ジャンッ

前後のお母さんがとっさに私を抱えあげる。
私のクラスはトップ

あー! おう!

体育館内で200人あまりの人たちが声をあげる。

で、後ろのお母さん、タイミングずらして、もたつく。

また大きなどよめき。

私の列から、あーあ。の落胆の淀んだどよめき。

びっけだった。

「もうちょっとだったのに!」

「最初は勝っていたのに!」

ちらりきこえてきた子供の声が大きな声のうずに飲まれていく。

娘はいやなこと言われているんだろう

来ないでっと言われていたのに  きてしまったし。

親切なお母さんに正門まで送ってもらい、一人で家にゆっくり戻った。

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