2017年9月11日月曜日

転落

駅からさほど遠くないビジネスホテルに盲人のママたち数人ほどが集まった。

わたしたちの部屋は1階にあって、廊下に出てちょっと行くともうロビーで、外に出ることができた。
こじんまりしたホテルだからやりやすい。

一つ部屋に集まって、お菓子食べながらおしゃべりは止まらない。
何年かぶりで学生気分だ。

ビールだれか買ってきて、ということになった。
ホテルを出て左に4~5件目にコンビニがあるという。
車はたまにくるような狭い道だ。

じゃ、私行ってくるわ

元気な私はかって出た。
部屋のとびらはロビーまでいくつめかと、出口までの歩数をかぞえる。

ホテルを出て道に出た。
階段の段数と、その床の感じ、ガラスとびらの脇の外壁もチェック。
左へ4~5けんだ。

左はしに何があるのかを覚えながら1、2、3と歩数を数えていく。

前から靴の音がちかづいて来る。
声をかけ、コンビニのとびらまでつれて行ってもらった。
すぐそばだった。

店員さんに手伝ってもらい、ビールや 酎ハイなどたくさん買って、両腕に重いレジ袋をさげた。
歩数を数えてあるから、ホテルのとびらを見つけることが楽にできた。

ここだ ここだ
外壁もチェック。
まさしくここ

両腕のビールは重たく両腕にくいこんでいる。
うまく杖がつかえない。
何歩か部屋のほうに向かって歩いた途端、床が消えた。

両腕のビールに引きずられて階段を一気に地下まで転がり落ちた。
右肩を強く打った。
ものすごく痛く、腕が上がらない。

しばらくうずくまっているとホテルの方が来て、ビールを拾ってくれた。
救急車をよぼうかとも言ってくれた。
ビールを持ってもらって部屋に戻った。

みんなが心配してくれたが、せっかくの楽しい時間だ。
平気平気と言ってビールを配った。

おしゃべりは何事もなかったように続く。

ロビーをちゃんと確認しなかったからだ。
向こう側はすぐ階段だったんだ。

翌日病院へ行くと全治2ヵ月だった。

1 件のコメント:

  1. どんな時も気を抜けないんだね。。。
    怖すぎるよ!せっかく楽しかったのにね!
    でもそんなに痛かったのに、飲み会に参加したなんてすごいよ!
    ガッツだぜ!

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