2017年9月2日土曜日

ラブレター

私が小学生高学年のとき。
弱視の子からラブレターをもらった。

それが点字じゃなくて、ペンで書かれたものだったから誰かに読んでもらわなければならなかった。
で、私は誰かにそれを読んでもらった。

好きですとか、愛していますとか、誰にも言わないでとか。

私がペンで書いたものが読めないことを知ってて書くのだから、小学生らしくてかわいい。

私はその手紙をかばんにつっこんだまま、忘れてしまっていた。
まずいことに、母がそれを見つけてしまった。

実は私の母は文盲で、なので文字が読めないのだ。
それでもひらがなはなんとかやっと読むことができた。

で、それはほぼひらがなだったらしく、母にも解読できたようだった。

家庭の事情で学ぶことができなかった母は、読みものは誰かに読んでもらい、その詳しい説明をしてもらわなければならない。

が、今回は自分自身で読むことができ、嬉しかったようだ。

手紙があったから読んでやるっと言われて、びっくり!

しかも母は文字が読めないはずなのに読めるということは、ひらがなだらけの、あの手紙と言うことだ。

えっ?私は恥ずかしさのあまり、 その紙切れをひったっくって、びりびりに破いてしまった。

「好きです、愛してますって書いてあったで。だれなん?」

もう、はずかしいったらありゃしない。

1 件のコメント:

  1. おばあちゃんすごく嬉しかったんじゃないかなー。ひらがなで手紙を全て読めたことも、全盲の子供が文字をかけるような子からラブレターをもらったこと!
    おばあちゃんのニコニコした顔が思い浮かぶよ!そして、お母さんが恥ずかしくてビリビリに破ってる姿もね❤️ほっこり

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