盲学校でも盛大に運動会が開かれる。
全校生徒だから、小学校1年生から専門学校の人たちまででチームを組んでいるから迫力があるし、盛り上がる。
紅白対抗リレー全盲の部は円周走でする。
弱視の人たちはバトンで繋いでいく一般的なリレーと、この全盲の人たちによる円周走は運動会最後のプログラムで大いに盛り上がる。
円周走で行うリレーとは、ちょうど時計の針のように中央に2本の細い軽い管の端っこを杭で固定して、
それでもう片方の端を持って1周づつ走っていく方法だ。
それが赤組白組ある。
その管の長さはどれくらいあったのか?
20メートルくらいだったかな?
一周で100メートル以上はあったような気もする。
リレーのバトンゾーンの数メートルのところに先生が何人か待機している。
全盲の選手は、時計で言うなら長針の端っこを左手で持って、ヨーイドンで背中を叩かれるんで猛ダッシュで 走っていく。
左腕はピンと伸ばして、持ち手を引っぱるようにして右腕だけ腕を振っていく。
遠心力を使って走れっと言う。
今ランニングを趣味としている私からみれば、とんでもないフォームではあるけれども、
誰の手を借りなくても自分の力だけで安全と分かっているところを思いっきり走ることができるから
目が見えたような気になれて最高なんだ。
風と自分の靴音がスピードを教えてくれる。
バトンゾーンに着くと、すぐさま2番目の選手の背中がドーンと叩かれ、短針の方の管のもち手を持って走っていく。
バトンゾーンに入ってきた選手は、先生に大声とともに抱き止められて応援の列のしっぽへ連れていかれる。 そこでへたれこんでいると、
次々にぜいぜいいわせた仲間たちが連れてこられる。
アナウンスしている先生の声もいよいよ大きくなって、説明も忙しくなっていく。
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