子供たちが大きくなってから、私はよく母と旅行にいった。
ラジオで募集しているおすすめの旅で連れて行ってもらっていた。
母は、目は見えるんだけれど幼いころ、奉公ばかりしていて学校にいけなかったから文字の読み書きができないんだ。
とにかく集合場所にさえいければあとは添乗員さんについていけばいいから心配はない。
ツアーは私は大好きだ。
特にバスガいい。
本当ならバスや車は座っているだけだからつまんないのだけれど、
バスガイドさんが説明してくれるから車窓がが見えていくようでいい。
その土地の歴史や文化、有名な人、おいしい物やお店のこと、時には歌までうたってくれる。
母は説明しなくていいから外をみて楽しんでいる。
「でっかい、ふきんぼだがな。」
なんて突然声をあげたりしていたっけ。
外におりて見学や買い物すませて戻ってくると、必ず母はバスガイドさんや運転手さんに飲み物やらパンやらおにぎりなんか差し入れする。
「うちの子がよ、よく話聞いてるからよ、うんと話してやってくんないな。」
私は、迷惑じゃないかなと思いながらも二つ三つ質問したりしてみる。
必要な書類やアンケート、お土産たくさん買うから送り先の住所書いたりもできないから
「字、悪いけど書いてくれねえかい。」
と、またお菓子なんかもってバスガイドさんのところへいくんだ。
ホテルは注文しなくてもちゃんとごはんあるし、温泉は見るだけで分かるからゆっくり楽しめる。
同じバッチつけている人たちは仲間だから、気さくに話かけたり買ってきたばかりのお団子すすめたりもする。
羽田で集合で、北海道や九州のほうまで行ってきたりもした。
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