2017年11月9日木曜日

キャンディ

雑種の柴犬、8キログラムのキャンディとの散歩は日課になってきた。

キャンディがリードを引っ張っていくものだから白杖を適当にぶら下げながら、私も
つられて小走りしていく。

こりゃ軽いジョギングになっていい、いいと気を抜いていたら、うっかり足を取られて 歩道と道路との間に覚悟する間もなく、ざっくり転んでしまった。

手からはリードが外れてしまった。

キャンディ!と、呼んでみたけれどすぐに立ち上がることができない。

以前、リードを付けたまま逃げ出したキャンディを家族中で見つけていたら、生け垣の木にリードが引っかかって動けなくなっているところを救出したことがあったから、また やっかいなことになってしまった。

私の足は、道路から歩道へ段差をなくすために斜めに鉄板がかけてあって、その脇の三角の空間に足を引っ掛けてしまったらしい。

足首の前側とひざを打ってしまった。

仕事が休みで天気も良かったので、たまには違う道を歩いてみることにしたもんだから うちのすぐ裏なのに、こんなことになってしまった。

ほんのり温かいアスファルトに手をついて、ゆっくり起き上がろうとした。
昼間の住宅街は車も人もいない。

ペロリッペロッ

「キャンディー?」

私のすりむいた右ひじをなめて、回りこんで、なまひざもなめている。

キャンディは逃げずに私のそばに心配して戻って来てくれた。
キャンディは私の痛いところがちゃんと分かってる。

私はキャンディの背中を撫でて、リードを探して手に握った。

立ち上がれずにいると、体をすり寄せてきて、ずっとひざのところをなめてくれている。

ありがとうを言って、ゆっくり立ちあがる。
左手にリードを持って、右手に今度はちゃんと白杖を持ってうちのほうへと向かう。

キャンディもゆっくりゆっくり歩いていてくれる。

路駐の車がとまっていると、大きく離れて私がぶつからないように誘導していってくれる。

これもキャンディが体験して出来るようになったことなんだ。
私とパパのときは、ちゃんと車から離れて引っ張っていってくれる。

教え込んだわけじゃなくて、ぶつかって痛がっていたわたしたちを見て
キャンディが学習したことなんだ。

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