先日若い目の見えるママからいい話を聞いた。
5歳の男の子の運動会での話だった。
ここからは彼女のおはなし。
ビデオの充電はフルフルだった。
パパも私も息をひそめてビデオを握っている。
保育園の先生から竹馬の練習を嫌がり、縄飛びも怖がって何もしてくれないと相談されていた。
うちの子は今ひとつ運動が苦手だ。
早生まれで体が小さいこともあるのかもしれない。
私は運動会の当日になって、みんなの前で竹馬を上手に乗りこなすお友達の中で竹馬に乗ることも出来ず、みじめに泣きべそ書いている我が子を見たくないし、彼にもそんなみじめな思いをさせたくはない。
パパと相談してみた。
竹馬と長縄跳びの練習しないなら、できるようにならないんだからね、できるようになってなかったらパパもママも運動会には行かないからね。
と、言ってみようかとも思った。
彼にとってはプレッシャーだ。
やる気が出るまで待つか。
無理にはさせないか。
プレッシャーかけて、やってもらうか。
無理矢理やらせるか。
10月の半ばに開かれる運動会に向けて5歳児は竹馬で障害物を超えていく競技と長縄とびをとんで向こう側へ行くというのを卒園発表にしている。
8月の終わりごろ真剣にパパからと私から、時間をあけて彼に本気になって伝えた。
保育園に迎えにいくと、園庭でまさに長縄とびの練習中だった。
彼は太い縄が地面を叩くさまをしばらく見ている。
先生たちがそれっそれっとタイミングを教えてくれている。
ちいさな体をはずませて、縄の下へと挑んだ。
パチリと足が打たれた。
また縄が回りだす。
お友達はすいすい難なくくぐり抜けていく。
また、うちの子の番だ。
また引っかかった。
彼には、この練習を見ていなかったことにしよう。
この運動会の日まで何回足を打たれていたことだろう。
何回、竹馬から落ちていたことだろう。
次はうちの子の番だ。
からだじゅうで祈りまくる。
大繩が強く大地を打つ。
先生たちが一段と声を張り上げてタイミングを伝えてくれている。
先生ありがとう
小さなからだがクルリと走りだす。
できた!
大繩の向こう側で大きく手なんか振ってる。
わたしは涙でいっぱいになってしまって、ファインダーが覗けない。
竹馬も、高さの低いほうのチームだったけれど、フラフープをちゃんと越えていけた。
ありがとう先生、 ほんとうにありがとう。
彼女のこのお話が素敵で、私がこの場所にいたかのようにさえ勘違いしてしまうほどだ。
子供は30歳になっても子供だということに最近気がついてきた。
私もパパと相談しながらこれからもいこう。
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