2017年12月20日水曜日

空気清浄機

「やあ、まいったよ。空気清浄機が余計なこと言うんでさ。」

治療の仕事が終わって、2階の居間に入ってきた夫が笑いながら言っている。

うちの1階で開業している鍼灸院には、この春けっこう高価な空気清浄機を買って、置いてある。

プラズマなんとかというもので、それがよく喋ってくれるんで盲人の夫には都合がいいんだ。
朝、スイッチをいれると、「おはようございます」と言うし、夜電気を消すと「おやすみなさい」なんていう。

それで、夫がそれにおならを嗅がせてあげたら、
「汚れをみつけました。きれいにします。がんばります。」
なんて言ったんで大笑い。

さっき患者さんが治療を終えて、会計をするために空気清浄機のそばのソファーに座ってバッグを開いていたところ、となりにいた空気清浄機ちゃん、

「汚れを見つけました。」
と、高らかに宣言して、
「がんばります」
と、エンジンをふかし始めたんだそうだ。

その患者さん、ほんのりよい香水の香りがしていたそうで、

「わたくしのことでしょうか?申し訳ございません。」

なんて言われちゃったんだそうだ。

花粉も不純物質も、おなら物質もほこりも、何でもキャッチできる優秀な清浄機。

でも、香水のかおりは区別ができなかったんだ。

0 件のコメント:

コメントを投稿