先日、30年ぶりに母校の盲学校に行ってきた。
目の見える人たちは、「目に焼きついていた風景」なんてよく言っているけれど、景色の分からない私はどんな風に感じるのか、楽しみだった。
「ここ、職員玄関。」
誘ってくれた友達が説明してくれる。
えっ?ここ、段だったよね。
下駄箱は木でできていたよね。
床はなだらかなスロープになっていて、下駄箱はもちろんスチール製のものにかわっていた。
ここ、左に曲がると…、そうそう廊下にざらざらの印があって、防火とびらの敷居があるよね…、あっないね!
昇り階段の手すりは丸いものだったのに、四角の木製に変わっている。
けれど、ちゃんと1階、2階の階数を表す丸い出っぱりは昔とおんなじ。
教室をつなぐ手すりはスチールの四角の手すりだったのに、円柱の木製になっている。
壁もつるつるできれいだ。
確かに私の手の指先と足の裏には焼きつけられた母校の感触が残っていたんだ。
手すりを触るまで分からなかったけれど、
廊下を歩くまで分からなかったけれど、
確かに指先に焼きつけられた昔の感触の風景があった。
リフォームされているけれど、廊下の幅やひんやりした感じ、声の響き。
足の裏と指先は昔の感触をちゃんと覚えていたんだ。
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