2017年12月18日月曜日

トランプ

盲学校では、学校でも寮でも、小学生から高校生まで点字のついたトランプでよく遊んでいた。

目の見える人たちとルールは同じだけれど、ただ何でも声を出してカードを置いたり取ったり捨てたりしていく。

7並べなんかだとダイヤの6!と言って全盲の子はカードを差し出すと、弱視の子が置いてくれる。

「どこまで出ているの?」

「うえはね~・・・」

と、言いながら読んでいってくれる。

戦争のときなんて、みんな大声で自分のカードの数字を言ってこたつの上の台に叩きつけていくから大騒ぎだ。

大貧民なんかは上がるたびに席が変わるから、みんな大富豪になったり貧民になったりの演技をしながら席がえしていくんで、その掛け合いも楽しいことのひとつ。

たまに寮母先生が入ってくれるとみんな大喜びだった。

寮母先生は大卒の若い人から、還暦に近い人まで色々だから、やっぱ若いお姉さんのような寮母先生が一緒に遊んでくれると、みんな嬉しかった。

0 件のコメント:

コメントを投稿