どうもおかしい。
名前を呼んでも生返事だし、おしゃべりもしないで小学生の娘3人が黙って夕飯を食べている。
テレビは消してごはん食べなきゃだめっと言ったからさっき返事をしてテレビを消して いるはずなのに。
小学生3人だから、黙っているのも変だ。
私は箸を置いてテレビの方へ行ってボリュームを上げた。
もちろん音が出た。
「お母さんが目が見えないと思って消したとうそを言って、3人で画面見ていたんだね。」
私は頭にきてヒステリックにがみがみ怒鳴った。
「噓つきの子を作るようなテレビなんか大嫌いだから明日これ捨てちゃうからね。」
私はスイッチをばちりと消すと黙ってごはんの続きを食べた。
子供たちは黙っている。
「どうしてテレビ見ているって分かったの?」
しばらくして聞いてきた。
「そんなことくらいちゃんと分かるよ。」
「ほんとは目が見えてるの?」
子供たちは、なにやらぶつぶつ話しあっていた。
次の日、14インチの小型のテレビは私の手によって本当に粗大ごみに出されてしまったんだ。
その事件以来、いまだにうちにはテレビがない。
うちからテレビが消えて早20年以上にもなるかもしれない。
その代わりに本をたくさん、まんがもたくさん買うようになった。
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