ピーピー
ヤカンがけたたましくお湯が沸いたことを教えてくれている。
冷たいキッチンに響く。
どうしてゆたんぽって、こんな変なかたち?
ちょうちんを潰して真ん中にゆたんぽのおヘソみたいに、お湯の投入口のキャップがちょっとへこんでついている。
シンクの中にゆたんぽを置いて、ヤカンから熱湯をうまく入れなければならない。
子供は熱があるからアイスノンは当ててあるけれど、寒がってしようがないから頭寒足熱で足を温めてあげなくてはだ。
うちのやかんは注ぎ口が大きくて短かい。
で、大きな水筒のようなものならば感覚で上手く注ぎながら、
音も変わっていくんで何とか入れることができる。
でもこのゆたんぽ、真ん中でへこんでいるからやかんの注ぎ口を引っかけて傾けていくことができない。
何となくこの辺ってところでやかんを傾けてみる。
ダーッと熱い湯気と共にシンクの底にこぼれていく。
指先でちょっちょっと触ってみるけれどゆたんぽの溝にお湯が溜まって流れていく。
上手くいかないから、漏斗を乗せて押さえてヤカンを傾けてみる。
「アチッ」
漏斗に溢れた熱湯が指にかかるし、漏斗はどっと倒れてしまった。
ゆたんぽを持ちあげて振ってみる。
チャポチャポ・・・・大して入っていないようだ。
もう1度、穴を確認してその辺りにヤカンの熱湯を静かにゆっくり入るように傾けてみる。
どうぞ、うまく注げますように…!
ドーッドーッ
上手いことお湯が入っていっているようだ。
脇を締めて、手をぶらさないようにしてじっと堪える。
ドドーッ
ヤカンの位置がずれて、またシンクの底を熱湯が温めていく。
1.5リットルの熱湯はほとんどこぼれていってしまう。
電気のあんかでもいいじゃないかとパパに言うと、熱のあるときにはやっぱり湿熱の方がいいと言う。
ヤカンが空っぽになった。
キャップを持って投入口を探しながらフタをする。
ゆたんぽを振ってみる。
プラスティックのゆたんぽの底は熱いけれど、上側は空気の層になっているようだ。
それでもしようがないから、急いでタオルにくるんで、子供の寝ている足元のふとんの 中に静かに差し込んであげる。
冷たくなった足の近くに押しやってあげる。
掛け布団の上から静かに押して布団の中の空気を潰しておく。
まだ寒がっているから、向こうから毛布をもう1枚持ってこよう。
指先がピリピリするから、水で冷やさなくちゃ。
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