最後の下りの坂だ。
下ではみんなが待っている。
何度か下りたこの坂、急だしカーブしているから難しいし、怖い。
「おーい、おーい!お母さあんん!」
子供たちが呼んでくれている。
私も大きな声出して、ストックを空にむけて振ってみる。
「こっち、こっっち!まっすぐだよー!」
子供たちはちゃんと私の滑っていくカッターの向こうで声を出して誘導してくれている。
「さ、リラックスして膝には力入れすぎないようにね!」
ガイドさんがアドバイスをしてくれる。
シュシュシュガイドさんの板の音。
私もストックを後ろに押す。滑る。早くなる。
子供たちがキャアキャア大声でなんか言っている。
「カーブ!カーブ!」
ガイドさんも子供たちも下にいた他の人たちもカーブカーブと教えてくれている。
体を右に傾けて、左足をつっぱっていく。
おー上手くいった!
みんなが拍手してわあわあ言ってくれている。
この坂、初めて転ばずに降りてこれた。嬉しい。
あれ、いつの間にか、その坂の上から子供たちの声。
次から次へと、おーいおーい!お母さあんん!っと言いながら、子供たちの声がこちらにむかって降りてくる。
あんな高いところから降りてきているんだ。
子供たちの声は坂の高さを教えてくれる。
私も大声を出して、応援する。
周りのスタッフの人たち、上手に滑ってますよ、と、教えてくださる。嬉しい。
上手に滑れているなんて、嬉しい。
みんなが教えて下さった賜物だ。
また子供たちがクック、クック、疲れ知らずに坂を登って行っているらしい。
『三女も遅れながら一生懸命にくっついていっているのがかわいい。』
と、みんなが言っている。
坂をのぼっていく3つの背中が見えるようだ。
みんなに助けてもらいながら社会人になってまさかスキー経験できるなんて夢にも思ってなかったし、スキーとかキャンプとか家族でいくことができるなんて思ってもみなかった。
全盲のパパと子供たち部屋割は家族で一部屋と配慮してもらっている。
ほんとに参加してよかった。
また来年もお世話になろうと思っていた。
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