いつものように東京駅の改札を出て会社にむかってまっすぐ点字ブロックに沿って歩いていたら
「ここ工事しているんで通れません。」
ガードマンらしい男性が私の前に立ちはだかってぼそりと言っている。
「え?まっすぐ行きたいんですけれど、どうしたらよいですか?」
手を出してみると、ガードマンのうでが右のほうに上がっている。どうやら誘導はしてもらえないようだ。
とりあえず、右の方へ行くしかないから行ってみる。
会社の方向はこうなると左の後ろ。左側には仮設のガードレールのようなものがある。
左手で探りながらゆっくり歩いていると
「ご一緒しましょう。」
ラッキーだ。
朝からついてないと思ったけれどやっぱりついていた。
親切な人に声をかけてもらえることができ、迂回しながらいつもの道へと戻っていく感じがわかった。
次の日の朝、
「ここ工事がはじまったんですよ。どちらまでですか?」
今日のガードマンの方は右腕を差し出してくださり、私が使っているいつもの道の点字ブロックのところまでずっと誘導していってくださった。
また別の日は、
「ここあぶないから」
といって、ガードマンのところから3メートル先のところまで手をつないで誘導して下さり、ぱっと手を離しておしまいだった。
ガードマンの方たち、日によって人によって誘導が違っていておもしろい。
これってみなさん違うから人柄の違いなんだろう。
東京駅の地下街を歩いていて、何度か雨漏りをうけているバケツを蹴とばしてしまったことがある。
だもの、修繕してもらわなきゃならない。
年越しであちこち大がかりな工事があったんで、毎朝不安なような、どんなガードマンの方か楽しみのような複雑な気持ちで通勤していた。
やっぱり親切なガードマンの方はもてる人だろうなあなんて思っていた。
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