「カンパァーイ! カンパァーイ!」
年末。
クリスマスお正月と乾杯をする時が多い時期。
私とパパ、全盲同士で乾杯するときには近くに座っているから、グラスをテーブルの上を滑らせて、左手でパパから滑ってくるグラスを確認しながらカチリと衝突させる。
気分のっていて、うっかり目が見えないこと忘れてしまっていて空中カンパイしてしまったらコントロールの悪い私たち。
「カンパアイ!どこどこ?ここ、ここ!」
鶏がカンパイしているような騒ぎで、左手でパパのグラスを持っている手を振り回し見つけてみれば、おっと危ない!
顔のまえ、しかもいきなりグラスに手がぶつかってビールが手にかかるし、テーブルにもこぼれる。
やれフキンだとかティッシュは…?
と大騒ぎでカンパイから遅れること3分。
やっと泡のなくなったビールを飲むことができる。
盲人仲間数人とテーブルはさんでのカンパイは、なおのこと大騒ぎだ。
「カンパアイ!」の後には、どこどこ?誰ちゃんどこ?こっちこっち!とけたたましい。
グラスでグラスみつけるのはとっても危険。
下にはごちそう達が待っているのだから。
左手で空中かき回していて偶然ぶつかった他の人の左手握って「はい、カンパイ」とその左手の近くでグラスをカチッと合わせる。
こうしてでもカチリの音は気持ちを盛り上げてくれる。
気のきいた目の見える人はグラスを誘導してくれてグラスをぶっつけさせてくれる。
高さのあるこの3次元の世界。
高さがよく分からない盲人同士、8個のグラスをいっせいにカチリと合わせることはなかなか難しい。
それでも去年は終わってもう今年になりましたね。
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