子供たちは3歳の頃からスイミングスクールへ通わせていた。
これは本人たちの意向は関係なく、私と夫でむりやり習わせることに決めたんだ。
というのも、学校に行ったら夏はプールの授業があるから泳げた方が楽しいだろうということと、マリンスポーツを楽しむことができたら大人になってからも楽しい経験ができるはずだからと思ってだ。
三女はプールが大嫌いだった。
お姉ちゃんたちが楽しく行っているのに三女は水が嫌いで、水着に着替えさせるのにもプロレスしているような騒ぎだった。
プールと分かって逃げまわる三女をつかまえに走ることができないからむりやりおびで背中にくくりつけて、背中でばたつく三女を尻目に歩いていく。
スイミングスクールの更衣室に行ってから大泣きしているのを抑えつけて着替えさせる。
3歳ともなると力も体力もあるからこちらもテンション120パーセントで構えてないとふっ飛ばされてしまう。
キャップをかぶせるとすぐに取って遠くへ放り投げてしまう。
私もついつい大声で怒鳴りつけてしまう。
やっと先生に渡すと「大丈夫ですよ。」とだっこして連れて行ってくれるんでほっとひと息だ。
私は近くにいる気配のお母さんにロビーまでお願いして連れていってもらう。
ガラスの傍に行っても見えないから、後ろの方に座ってうつらうつらして待っている。
時間になったらロッカーのところで待っているんだ。
「三女ちゃん、もう嫌がって私の肩に噛みつくんですよ。
でもねプールをお風呂にして遊んできたんですよ。」
先生と手をつないで静かになった三女が体をあったかくして出てくる。
お湯のシャワーが気持ち良かったと小さな声で言っている。
そして来週も同じようなことがありながらもプールに連れていくんだ。
何か月くらいこんなことが続いたことだろうか。
いつのまにかお姉ちゃんたちとプール終わったら自販機でアイスキャンディー買ってかじっている三女がいる。
泳ぎは得意になって学校でのプールの授業は一番大好きになっていった。
大学生になった娘たち。
ビーチを走り回って、
シュノーケリングして、
ボートから飛び込んで、
ダイビングして…と、マリンスポーツをうんと楽しんできたことだろう。
私もパパも出来なかった、たわいもない夏の遊び。
プールに連れていくのを何度やめようかと思ってきたけれど、むりやりでも続けて連れていってあげれたことはほんとによかった。
人生での楽しいことが多いことは確かだから。
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