観光バスに乗って、
鹿児島市内と桜島への観光に行った。
バスガイドさんの話は、
歴史やら食べ物のことやら
地元の歌を歌ってくれたり
と飽きることがない。
桜島の噴火口を間近に見てから、
お食事処でここ仙厳園に
連れてきてもらった。
何年かに一度と言う寒さ。
バスガイドさんはしきりに、
「皆さんはほんとに運が良いです。
南国で雪の日はめったにありません。
見てください。
富士山に似た桜島が雪を載せていますよ。」
と。ここは薩摩藩の別荘だったところ。
庭園の中に咲いた牡丹を身に敷き詰められた
小石をざくりざくり音たてて歩いていく。
雪がちらりちらり舞っている。
寒い。
私たち観光客は寒さに震えながら
早々にレストラン2階へと逃げ込んでいく。
寒い。
ほんと寒い。
暖房で暖かい2階の窓際席。
冷たい窓ガラスの向こうにはすばらしい景色。
小石の敷かれた庭園には牡丹の花。
あれ?何色だったっけ?
忘れてしまった。
庭園の向こうには窓いっぱいに桜島。
左右いっぱいに裾野を広げて富士山の真似っ子で、
頭には雪をかぶっている。
こちらの本土と島との間には
ふるふる寒さに震えている錦江湾の海。
雪がちらり舞っている。
桜島に雪がかかっているのは
そうめったには見ることができないとのことだ。
「波はいつだって同じだと思うけれど、
どうして寒そうな波っていうんですか?」
波の動きはいつも変わらないけれど、
その時々の空の色天候で
波は表現を変えているんだそうだ。
そっか。
目の見える人たちは波を見ながら
周りの風景もセットにして見ているんだ。
スマホの壁紙みたいに
空と太陽の色はいつもセットで眺めているんだ。
美しい景色は食事も美味しくなるらしい。
盲人には景色スパイスはないから
味で勝負してもらわなくちゃ。
ほんのり甘い豚の角煮とふわふわのさつま揚げ。
景色スパイスなくたってすっごくおいしい。
きてよかった。
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