2018年2月22日木曜日

お金を貯めてから

「南アフリカに行ってみたいから
お金100万円貸してくれる?」

クリスマスの少し前、
イチゴのどっさりのった
ケーキを買ってきて、

長女は言った。

「仕事辞めてきたの。
で、明後日から語学勉強の為に

セブ島に半年位かな行ってくるよ。

今日は、私の旅立ち
新しい未来へのパーティーの為に、
人気のお店でケーキ買ってきたよ。」

な。なんて突然。

その後4年ほど帰って来なかった。

「ただいまあ。
おひさしぶり。
英語話せるようになったよお。

で、お願いなんだけれど。」

と言う訳で、
フィリピンから帰って来たと思ったら、

次は南アフリカに行きたい。
と言う。

もちろん私は直感的に大賛成だ。

治安は悪いとは聞いているけれど
日本だって、
運がなければ病気とか
事故とかで死んでしまう。

行きたいこと。
やりたいこと。
があるってことは、最高の幸せだ。

「おれは反対だ。
治安が悪いし、
目的がはっきりしてないし、
何かあったって行けないし、
できない。」

「私も反対よ。
行きたいならお金100万円貯めてから
行くべきでしょ。」

パパや姉妹達は言う。

「そうだ。
お金を貯めてから行きたいなら行ったらいい。」

私はパパにも構わず、
いくつかあった通帳にあったお金を引き出して、
なんとか100万円を集めた。

娘はもう大人だし、
治安が悪いことくらい
一番よく調べて知っている。

その上で行きたい
って言っているんだ。

金融貸しじゃないんだから、
はっきりした目的なくたっていい。

って言えばいいんだ。

未知の世界に、一人で行こう。
って、その勇気は100万円以上のものだ。

「ちゃんと帰っておいでね。
失敗したっていいから、
帰っておいでね。

早く切符とって、出掛けちゃいなね。」

それから2年ほど帰っては来なかった。

時々、
ケープタウンの美しい絵ハガキやら、
日本にはないようなちょっとエッチな絵葉書なんか
家やばあちゃんの家に送ってきてくれた。

ばあちゃんには平仮名で
「げんきだよ」っと書いてあった。

充実した毎日を過ごしていることだろう。

アパルトヘイトがどうのって聞くけれど、
日本人にとってはどうなんだろうか?

今、南アフリカから帰ってきてから数年が過ぎている。

「あの時、行かせてもらえて本当よかった」

と感謝されている。

お金が貯まったら
なんて言っていると、

時は過ぎてしまうし、
チャンスは逃げてしまうし、
やる気もなくなってしまう。

やりたいって時。
したいって時。

がチャンスの気が満ちているときだ。

お金って、
時にはチャンスを逃がしてしまう。

行かせてあげれて良かった。

100万円なんて
すぐに貯められるもんじゃないしね。

とても良い経験になったようだ。

今度、その苦労話やら
面白い話を紹介したいと思っている。

それと100万円は
プラスをつけて返してもらった。

返ってこない。
と思っていたのに。


親がお金がないと思えば、
ちゃんと返してあげなくちゃ。
と思うんだろう。

0 件のコメント:

コメントを投稿