2018年2月24日土曜日

雪道

今年の冬は、一段と寒くて2度ほど積雪があった。

積もった雪は白杖の音を吸い込んでしまうし、
道と歩道との段差もなくしてしてしてしまう。

道の左右に雪かきされた雪は、
私たち全盲の白杖の先と足裏で覚えている地図を
すっかり書き換えてしまう。

「雪かきされた塊に沿ってまっすぐ歩いていて、
そろそろ曲がり角なんだけれど。
っと思っていたらなんだか様子がちがう。

なんか高い建物があるような気配がして迷子になってしまったってことがわかったの。

こんなところで間違えるはずじゃないんだけれど。

直角に曲がる道を見つけるために白杖の先で、雪かきされた山をつついたり、なでたりしながら
歩いていたんだけれど。

人ひとり位しか通れない道だったんで、
どうやらゆるーいカーブにになっていたらしくて、
すでに曲がっていたのに分からずに、
また曲がり角みたいだなあ。なんて思って
曲がってしまったから、もうどこにいるか
分からなくなってしまったの。」
と全盲の友達は言っていた。

私もそうだ。

大したことないと思って、雪の朝、駅まで向かったら、
雪が5センチか6センチか、けっこう深く積もっていて、
高さのある所の歩道は確認できたのだけれど、
横断歩道の目印となっている削られている歩道が、
見つけられなくなってしまった。

杖の先を立てて、地面に文字を書く様にしながら
見つけたのだけれど、よくわからない。

これじゃ、会社帰り戻って来れないから今日は会社休もう。
っと、体の向きを後ろに向けたつもりが、余計に悪かった。

目印の歩道の段は見つからず。
車の音も聞こえず。
道路の膨らみも分からず。
方向が全く分からなくなってしまった。

そうなんだ。
手当たり次第そのあたりを歩きながら、

「どなたか助けてください。」

朝、6時20分のことだ。

私は言いながら歩いていると、
駅に向かっていく男性の会社員が、 
声をかけてくださったので、助かった。

ただ家の方じゃなくて、
駅まで連れて行ってもらったんで、
会社お休みすることは出来ず、
出社することになってしまった。

声を掛けてもらえて良かった。

雪はこの日ずっと降り続けていたので、
帰りは駅まで迎えに来てもらった。

雪は靴をすっぽり隠してしまったから、
びっくりするほどの積雪だった。

一人で歩くのは大変だけれど、
だれかと歩くことできたら
つるつる、ずぶずぶ、
雪を踏みしめるごとに、
子供にかえっていく様で、
華やいだ気分になれていい。

しばらくは溶けかけた雪やら
凍った雪で、足元が危ないから
ゆっくり歩かなくてはならない。

目が見える人達は、
凍った雪が見えるから、
心構えをして
氷を踏んでいけるけれど、

私たち全盲は
きなり突然に
つるりっとくるから、
ずっと緊張してなくてはいけない

そうはいっても
目の見える人達も
転んで怪我をしているようだから、


やっぱり運動神経のほうが大切なのかも。

0 件のコメント:

コメントを投稿