2018年2月13日火曜日

乳母車

あっ!

と思った時には
大きな荷物が向こう側に倒れていって、
ぎやあっと赤ちゃんの激しく泣く声。

乳母車だったんだ。

私はびっくりして
倒れた乳母車の向こう側にまわりこんだ。

ごめんなさい、赤ちゃん大丈夫ですか?

と、言いながらどうしていいか分からず、
大きな泣き声の方に顔を向けて
立ちすくんでいた。

赤ちゃんにとんでもないことをしてしまった。

心臓がどうするどうしてくれる
と激しく胸を叩いてくる。

乳母車から落とされたんだから
怪我をしてない訳が無いし。

「大丈夫ですよ。こちらこそごめんなさい。」

と、ママらしき人が
赤ちゃんを抱きあげながら言ってくれた。

私は倒れた乳母車起こして、また何度も謝った。

乳母車は折り畳み式の軽い感じのものだった。

ちょうど点字ブロックの上に横断するように置かれていて、
しかもママが傍にいなかったようなんだ。

通勤途中のいつもの駅構内だから安心して、
普通のスピードで歩いていたから
体ごとボーンっと乳母車の真横からぶつかってしまって、
向こう側へ倒してしまったんだ。

私はぼんより赤ちゃんの泣き声が
遠ざかっていくのを聞いていた。

今でも胸の下にあたった乳母車の持ち手の
ぶつかった感触が残っている。

それ以来、
慣れている道でも杖をプラプラさせていないで
ちゃあんと前を確認するようにしている。

乳母車で電車に乗ってくる人たちが増えてきているようだ。


電車の乗り降りでは気をつかっているけれど
駐車している時でもどうか目と手を離さないでいてほしい。

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