2018年3月10日土曜日

ショコラケーキ

ホワイトデーがくるから
ケーキを一緒に焼いて
っと3女から頼まれた。

最近は女の子が女の子に
チョコをバレンタインデーにあげるらしく
そのお返しのケーキを焼きたいという。


ショコラのレシピは
ちゃんと覚えているから
すぐに始められる。

量りを見ながら
粉や砂糖を量っていくには
目が見えさえすれば
こぼすこともなく
上手にぴったり量っていくことができる。

じゃ、粉30グラムと
チョコ120グラムね

3女は手早くチゴパックの中に量っていく。

私は次に使う
ボールやら卵やらを準備していく。

卵の白身と黄身を分けていく。

私は一人で焼く時には
お椀に割りいれた卵から
3本の指で黄身だけを
すくいあげていく。

白身はつるりと下に落ちて
指の中には膜に包まれた黄身が残る

こうして分けていくのだけれど
目が見えると
割った殻の左右の中に
卵の液を移動させながら
黄身を残していく。

私の方法の方が
簡単なのにっと思う。

ヘラで黄身とバターを混ぜながら
部活のことやボーイフレンドのこと
友達のこと
いろんなこと話ができて楽しい。

メレンゲとチョコの液を
混ぜ合わせたから
長四角の焼き型に流し込む。

私が一人でする時には
これがうまくできない。

どうしても
傾けたボールの脇から
ケーキ種をこぼしてしまう。

気をつけて
気をつけて
ヘラの向きを気をつけて

焼き型の方へと
流し入れているはずなのに
けっこう大量に側に
こぼしてしまっている。

左手で重たくて大きな
ボールをささえて
右手のヘラでケーキ種を
流し入れていくので
れを確認する手が無いからだ。

ケーキを焼くときには
どうしても手が3本は
必要なんだ。

確認すること出来ないから

焼き型の内側に
敷いておいた銀紙と
焼き型の間にまで
種が入ってしまったりする。

でも目が見えさえすれば
綺麗に焼き型の内側
銀紙の内側に
ちゃんと流し込むことができる。

なので、後の片づけも簡単だ。


3女とコーヒーを飲みながら洗い物をし
もう一つついでに
チーズケーキも焼いちゃおうか。

なんて言いながら
話がまとまって

棚からリッツと
丸い焼き型を出して準備する。

すぐ後ろのオーブンは
熱くなりいい匂いもしてくる。

「お。いい感じに膨らんできたよ。
おいしそう。」

3女の元気のいい声聞いて
私も横に並んで見えた気になる。

私が目が見えなくなった
7歳の時からの夢は

まさしくこの時のこと。

こうして
子供とケーキを一緒に焼くことが
私の最高の夢だった。


夢は何度も繰り返し叶えられることを知った。

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