お灸の授業で
目の見える女性の先生が
話してくれた事が
今でも忘れられない。
「私の机の隣が全盲のO先生。
お昼でね。
お弁当食べていたんですよ。
見る気は
無かったんだけれど
隣で私もお弁当
食べていたから
見えちゃうんですよ。
こんな事言ったらいけない
のかもしれないけれどね。
言葉悪いけど
目くら食いしていて
動物見ているようで
不愉快だったんですよ。
白いご飯の真ん中に
箸を突き立てて
口を付けて食べる。
ご飯の真ん中に
穴が開いちゃって。
ハンバーグの真ん中に
やっぱり箸突き刺して
かじっていて。
全くみっともなかった。
これが全盲とはいえ
教員の食べ方かと思うとね
気持ち悪くなって
しまったんですよ。
いい?
あなたは若いんだし
女性なんだからね
目くら食いなんて
しないようにね。
お弁当のご飯は端から
箸で切るようにして
食べていくんですよ。
箸でおかずを突き刺すのは
ぞっとするね。
ちょっと左の指
添えたっていいから
ちゃんと挟んでね。
突き刺して食べるなんて
おやめなさいよ。
社会に出て恥ずかしい
思いしないように。
と今気がついたんでね。」
確かO先生の奥様も
全盲の方だと聞いている。
着ている白衣は
いつも
薄汚れているらしい。
薄い髪の毛は
いつもばらばら。
全盲の夫婦だと
まずはO先生の
イメージがある。
その話を聞いてから
何冊かマナーエチケットの
本を読んでみた。
お弁当食べたり
お食事したりと
人と一緒に
いただくときには
今でも注意しながら
食べている。
目くら食い
犬食いに
ならないよう
気を付けているものだから
食べるのが
いっつも遅くて
みんなに迷惑かけて
しまっている。
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