2018年4月14日土曜日

行方不明

入園式。
引っ越ししてきたばかり。

女は年長組に入る。

長女次女は小学校だから
いっつもお姉ちゃん達と
一緒だったけれど

今日からは一人きり。

入園式が終わって
保護者への説明会があった。

今日が初めての
赤ちゃん達いる。

園庭は赤ちゃん達の
泣き声と叫び声と遊び声で
それはそれは賑やかだった。

保護者会の開かれている
ホールの扉がそっとあいて

「3女ちゃんいますか?」

大変だ。
うちの子がいない。という。

入園式の後
親と別れて
お庭へ行ったまで
見た先生がいたという。

先生方総出で子供達も
他の保護者の人達も
みんなで3女探しに
なってしまった。

庭は隅々まで確認された。

建物の中
トイレはもちろんのこと。

押し入れの中のふとん
引っ張り出してみたり
職員室のロッカーまで
開けてみたりと大騒ぎ。

「3女ちゃんが見当たりません。
どうしたんでしょう?
誘拐でしょうか?
まさか!
警察に届けましょう。」

入園式に行っていたのは
パパだった。

「本当に心配になって
しまってさ。
どこにもいない
っていうんだもの。

警察に届ける前に
一応家に帰ってみて
いなかったら
警察に連絡します。

パパは一人でも
もちろん家まで

帰ってこれるのだけれど
心配して下さった
園の先生が一緒に
来て下さったとのこと。

家の扉には 
鍵がかかっていた。

パパも先生も
扉の前で声もなかった。

「帰ってないですね。」

パパは自分のカギで

ドアを開けた。

「おとおさあん。」

テレビの音の中から
3女が走り出てきた。

「おれさ。
もう心配だったから
抱っこしてさ。

高い高いしてやっちゃったよ。」

先生もほっとされ
帰られた。

うちの玄関の扉には
ポスト用の細長い
穴が開いている。

その中に
紐にカギを付けたもの
を隠してあった。

小学生のお姉ちゃん達が
鍵を持たなくても
ここから引っ張り出して
扉を開けられるようにと
細工しておいたんだ。

3女はそれをちゃんと
見ていて覚えていた。

「知らないお友達ばかりで
嫌だったし。
お父さん居ないなかったんだから
帰ってきたの。」

鍵を開けて部屋に入ったら
ちゃんと鍵のレバー倒して
鍵もかけていた。

あの大通りもちゃんと
右左見てから渡ってきた
という。

4歳ともなると結構頼もしい

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