2018年4月25日水曜日

アイスホッケー

どんどんぱん
どんどんぱん

アイスホッケーの
ビックハットのリンクに

会場に天井に
アイス協議独特の音楽が
響きわたる。

その音同士がぶつかり合って
もう一つの音を作り出している。
 
私はリンクの脇の手摺で
リンク内で行われている
アイスホッケーの音を聞く。


どんどんぱん。に
ちぇぁ。がっ。
ぶつかる生々しい音が突き刺さる。


チャリ。ガツン!と激しい。
どすっと鈍い音。

「あ。椅子ごと横に倒れてますよ。

あ。4番が後ろから行って
ヘルメットぼこぼこ
スティックで殴ってますよ。

あ。また、椅子ごと横倒し。 


え?あ。すぐ手をついて
自分でひょいっと起き上れますよ。

あ。またスティックでヘルメット
あ。あー。あんなに叩いて。喧嘩ですよ。」

私の隣で私の専属のガイドさんが
休みなく伝えてくれている。 


リンクをぐるり囲んでいる観客達が
その度に悲鳴をあげている。

1998年長野での冬季パラリンピックに
私はJBSのキャスターとして 
取材に行っていた。

「japan broadcasting service for persons with visual imtairment]

全盲の立場で全盲の方達に
より分かり易い説明をするために来ている

こんな体験最初で最後のこと。


アイスホッケーをするための
特別な椅子を触らせてもらえた。

足は前に長く伸ばした長座位の姿勢で座り
体や足をベルトでしっかり椅子に固定する。

その椅子はちょうど体育館に並べる
パイプ椅子と同じような感じで
ただ骨組だけ組まれたものだった。

座面が氷の表面より20センチ程高く
また足を固定するベルトが
あちこちについていた。

選手達は皆、足が悪い。

切断している人もいるし 
麻痺している人
松葉杖を使ってなら歩ける人

人によって障害の内容は違う。


アイスホッケーはとても過激な
激しいスポーツなんで
がっちり体と椅子とを
固定しなければならない。

両手には4角柱の5,60センチメートル位の
金属製の鉄パイプのような?
スティックを持っている。

このスティックの端っこは
ギザギザになっていて
そこで氷の表面に突き立てて
椅子を操っていくんだ。

私は選手達を触らせてもらった。


分厚い肩パットの下には
肩と上腕にはアシカと思うほど
大きな筋肉が盛り上がっていた。

足先には分厚いソックスが
重ね履きされている。 


いっくら激しい運動をしていても
どうしても足は温まってこないので
足の指先が凍傷みたいに
なってしまうんだそうだ。

足指のケアーが一番大切だ
とも言っていた。

お話をお聞きしたら
ほとんどの選手達はバイクの事故で 
障害者になってしまった。
と明るく笑いながら答えてくださった。

リハビリのために
車いすバスケットをしていたら
こちらのアイスホッケーに
誘われたんだそうだ。


「もうしょうがないよ。」
「そうだ。しょうがないな。」


しょうがないと諦めきれた時が  
せっかく残った命
しばらくはまあ。生きてみるか
っと思った時だった。


彼らが話していたことだった。
うーん。みんながんばって!

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