2018年4月17日火曜日

いるか

「これなあんだ?」


先日、仲間同士で
陶芸教室に
行っていた時のこと。

ちょっと時間があって
元に使っていない粘土が
あったものだから

隣の器用な友達が
くるくるっと
何か作って
私の手のひらに
乗せてくれた。


「うーん。ペンギン?
象さん?さんま?」

それにしても
2分とかけずに
拳ほどの色んなもの
作ってしまう。

すごい。


早いし、うまい。

どうやら
さんまと思った。

細長くて
緩いカーブしている
それはいるかだった。


いるかって
私はしゃがみこんだ蛙の両脇に
羽のようなひれを付けた
そんな形だと思い込んでいた。

それで両脇の大きなひれ
広げて水面たたいて
ジャンプするんだ
と思っていた。

だっているかの背中に
またいで乗れる
と言うんだから

あんなこんな細くちゃ
人間乗れないでしょ
と思う。

私達、盲人は
動物やら大きな乗り物
建物などなど

触って形を確かめるわけには
いかないから
話の出たその時々に
色んな人達の説明聞く中で
イメージを作っていくしかない。

なので、アシカもあざらしも
トドもイルカも
良く分からない

象やキリンのように
特徴的なのは分かりやすいけれど。

飛行機の事だって
思い違いしていた。

おもちゃの飛行機には
羽の下には車輪なんて無くて
胴体の真ん中あたりと
しっぽのあたりにだけ
2個づつ車輪が付いていたから

本物だって
てっきりそうだ
と思っていたんだ。

飛行機に乗った時
「あ。羽の中に今、
車輪がたたみこまれたよ。」
って、説明聞いてびっくり。

へえ。
羽の下にも車輪あったんだ。

じゃ。
しっぽのところには
車輪あるのかな?

聞いてみたら
なんと無い。とのこと。

両方の羽と胴体に1か所
その3個の場所で支えている
らしい。


きっとまだまだ
思い違いしている事
たっくさんあるんだろうなあ。


是非、盲学校には教材として
本物そっくりの色んなもの
出来るだけたっくさん
揃えておいてほしいなあ。


じゃなくて。
彼のように粘土で
何でもすぐに形に
できてしまう技術の人に
色んな物を
その場で作ってもらって
説明聞くのが1番かも。

そのサンマと思ったしっぽ。
それが水平に付いているから
こうして水を蹴って進むから

ほら。ドルフィンキック
って言うでしょ?
と言われて
そういう事だったのか
と唸り声しか出なかった。

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