韓国人と熱

この間、韓国から家に
ホームステイしていた女の子が
遊びにきてくれた。


「しばらく！！」

私が手を出すと元気なく
熱っぽい熱い手で
私の手を自分のほっぺに　
持っていってくっ付けて

「熱があるの。」と。


家にホームステイしていたのは
もう７年も前になる。


娘達はそれぞれ出ていたので
誰もいなかったのだけれど
彼女は全盲の私達
夫婦の所に面白がって
来てくれたんだ。

私が顔色見えないのを
ちゃんと覚えていてくれて
娘達と同じように私の手を
顔にもっていった。　


この子は私の娘と同じ。
7年も空いていたのに
盲人へのジェスチャーができる。


ホームステイしていた時
一度も病気になんて
かかったことがない　
丈夫な子だったのに。


お医者に行こうか
と言うと保険がないから
行けないという。

なので、仕方なく寝薬で
寝ているしかないね。
と、ずっと横になっていた。


「アイスノンしようね。
熱これで計ってみて。」


体温計を渡して
アイスノン枕のところにおいた。


「何度あった？読める？」


「うん。。。38度2分。
この冷たいの韓国にはないよ。　
これいいね。

韓国では熱が出るとお布団かけて
汗をいっぱいかけば治るっていうので
こういうものないの。」
と言っていた。

そうか。
じゃ、私アイスノン沢山仕入れて
ソウルで売っちゃおうかな？　


食欲もないけれどトマト食べたい。
と言うのでトマトをお皿に乗せて出した。


「韓国では、トマトにお砂糖かける
って聞いたけれどどお？
お砂糖かける？」


韓国ではトマトにお砂糖かける人も多いらしい。
彼女は何もかけずに
日本のトマトは美味しい。
と食べて、またアイスノンに
頭を乗せて横になった。

ベッドのそばに行くと
また私の手をとって
自分のほっぺに当てて
「ね。少し熱下がったでしょ？」
っと言っていた。



せっかく旅行にきた日本。
どこへも行かずに日本流に休んでいた。