2018年5月14日月曜日

毛糸

去年の秋から
編み物にハマってしまって
どうにもならない。 


何もしていないと指先が
疼いて疼いてどうしようもない。


すりみたいだねなんて
言われてしまったけれど。


もちろん通勤電車の中で
座席に座っている時には
編み物をしている。

昔はそんな人達も
良く見かけたという。 


電車の中は混んではいるけれど 
そんなじゃない時には
肩から下げたアディダスのバックを
開いて立ったまま
編み物をしている。

山手線に30分ほど乗るので
結構編むことができる。


毛糸はトイレットペーパーのように
スルスル解けやすいように。
と上手に長い糸が巻かれている。

座席に座って夢中になって
編んでいた。

糸が引っ掛かったので
クイッと引っ張った所

毛糸の玉がポーンっと
電車の床へと
飛んで行ってしまった。

あっちゃー。
しまった。。。

慌てて編んでいたベストを
アディダスのバックの中に突っ込んで
毛糸の玉を見つけようと
糸を手繰っていく。

そうだ!
いっくら引っ張ったって
コロコロ糸がほどけていくばかり。。。
 
これじゃ漫画じゃん。


「はい。どうぞ。」

年配の男性が
拾って下さった。

恥ずかしい。

慌ててたるんでいる糸を
クルクルからげていく。

えっーと。
またバック開いて 
編み掛けのベストを
取り出したら

からーん。

うわっ。
今度は編み針を 
落としてしまった。

糸を絡げた毛糸を
バックに突っ込んで
立ち上がり

荷物を椅子の上に置いて
しゃがみ込んで床を探る。
 
「はい!どうぞ。これ。」

うぅ。
またもや恥ずかし。

年配の女性が
拾って下さった。

なんだか続けて
編み物するには罰が悪く
気が引けたけれど 
指先が疼きだしてしまったから
しようがない。

まっいいか。続きを
編み出してしまった。

恥ずかしい落とし物
といえば以前缶コーヒーが
電車の中の床に落としてしまった。

しゃがみ込んで
腕を広げて、床探っていたら
指先が缶コーヒーに当たって
悪いことに向こうへと
弾き飛ばしてしまった。

電車の揺れに乗っかって
ゴロゴロと向こうの方へと
いってしまう。


しゃがんだまま
前進して追いかけて行ったら
座っている人の靴に 
手が触れてしまった。

ちょいっと
足を引いたのが分かった。

まあいいや。
缶コーヒー1本くらい。

誰も拾ってはくれなかったし 
拾って下さい。とも頼まなかった。

日が悪かった。
運も悪かった。



あの日はきっと
仏滅だったにちがいない。

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