2018年5月10日木曜日

落とし物

「どなたか定期を落としてしまったんで
見つけていただけませんか?」

朝8時前
私鉄からJR への乗り換え場所。

大勢の人達が急いで
通り過ぎて行く。

私は定期のスイカ1枚を手に持って
乗り換えようとしていたところ

人に手がぶつかってしまって
うっかりそのスイカを落としてしまった。


慌てて座り込んで
床を指先で探してみるけれど
見つからない。

それにしても床はツルツル
ごみもなく、家の床より綺麗だ。

でも踏まれそうで怖い。
迷惑にもなっているだろうし。

急がないと会社にも
遅れてしまう。

どうしよう。

「定期のようなものは
落ちていませんよ。」


肩越しに若そうな男性の声。
私はお礼を丁寧に言って

そして決めた。
改札を強行突破。

キンコン!キンコン!

大勢の視線と
キンコンが背中に刺さる。
 
訳の分からないこの駅で
有人の改札を見つけるのは無理。

それにそんなことしていたら
遅刻しちゃう。


定期絶対に落としたんだから
誰かが拾って持って行ってしまったんだ。
 
ひどい。 


下車駅で事情を話すと。
今はすごい。

確かにスイカ作ったときに
暗証番号聞かれたような
気がしていたけれど

その暗証番号でそのスイカを
使えなくすることができるんだそうだ。

チャージしてあったお金も
守れるとのこと。

びっくり。
文明の力とは凄すぎる。 

0 件のコメント:

コメントを投稿