2018年5月20日日曜日

やきもき

ガイドさんと飲み会に参加した。
たった7人の小さなグループ。

6人テーブルを囲んでの
飲み会だった。

私たちの前にも
やっぱりガイドさんと参加している
盲人の男性。

あとは正眼の男性のおじ様達。
私のガイドは20代だから一番若い。


話も盛り上がり
おつまみも次々と運ばれてくる。


全盲同士でお店に入ったなら
お互いのテーブルを
触りまくって

お箸はどこだ?とか
ナフキンここにあるよ!とか
お通しみたいな
小さなお皿がきているよ!とか

情報を出し合いながら
テーブル探検をする。

正眼の人達と一緒の時は
探りたくなる手を動かさずに
合図があるまでじっとさせておく

話が盛り上がって笑ったり
ええー?なんて言ったり
質問したりと口は忙しい。

私の出来るガイドさん。
話を途切れさせないように
黙って私の左手をちょん。
と突いて小さなお皿を触れさせて
私の前に引き寄せてくる。

そのついでに右手に
お箸を渡してくれる。

声での説明がなくたって
居酒屋さんでの最初の小さな小皿は
お通しに決まっているから
この手だけのガイドで分かる。

私はガイドさんの方をちょっと向いて
軽く頭を下げて、話はとぎらせない。

ひじきです。」

耳元でこれだけ囁いてくれる。
これだけで充分。
 
場の雰囲気を壊さない
抜群の配慮。

私は全盲気分なしに
話をして食べていける。
 
割り箸を割って
お通しの小皿持ち上げて
ひじきを食べる。

あ。しゃりしゃり。
レンコンまで入っていて美味しい。

「それでどうしたんですか?」

話はガイドさんの声で
遮られることなく続いていく。


大皿に盛られたサラダや
お肉や焼きそば。

「男性に付いて来られたガイドさん
おしゃべりに夢中で
盲人の彼にお通しのお皿
教えていないんですよ。

で、私が前から教えて差し上げようかと
思ってもみたんですけれど。

ガイドさん私より年上の方ですから
その方差し置いて説明するのも
どうかと思いまして
もうずっとやきもきやきもき
していたんですよ。 


年配のおじ様達はサラダとか
取ろうとしないんですよ。

で、私の方をちらっと見るんです。

なので、私が取り分けた方がいいのかなって思って 
おじ様達にもサラダやらお肉やらを取り分けて渡してあげたんですよ。

にっこりしていましたけれどね。
会社の延長とでも
勘違いしていたんでしょうか」


ガイドしてもらう方としては
まさか盛り上がっている話の真ん中で 
こんな視線のやりとりの世界が繰り広げられていたなんてびっくり。 


それにしてもこんな場面での
食事の説明は特に難しい。

誰かが話をしていても
声のトーンを落とすことなく
遠慮なく

「はい!ここがお通し。 
ここがサラダ!
6時のところに唐揚げが2個あります。
ドレッシングはどうしますか?」

特に他人が話をしている時に
無遠慮なこういうガイドには 
閉口ししてしまう。


ガイドさんの世界も
なかなか奥が深い。

0 件のコメント:

コメントを投稿