2018年6月2日土曜日

イナゴの佃煮

「お母さん達にも
手伝ってもらいまして

子供達がイナゴを取ってきますので、みんなで羽と足を取りまして佃煮にします。

カルシウムが豊富でとっても体にいいです。

子供たちも喜んで良く食べますよ。」

保育園での保護者会で先生からのお話があった。

イナゴを取り行くために
保護者達はお手製の布の巾着袋を縫ってこなければならない。

お母さんの作った袋
イナゴどっさり取ってきて

それから何日か絶食させて
イナゴ達のお腹の中を綺麗にして

それから天日干ししてから
羽と足をとる作業になるとのこと。

それが親子の絆だとか
一緒に佃煮を作ることを通し
なんとかがよくなるとかなんとか。 

草原に行くと
プッツン。プッツン。
足やら手にぶつかってくるあの虫。

それを聞いただけで気絶しそう。
 

「すいません。
私、目が見えないものですから
細かな作業できないんで
不参加でお願いします。」

もちろん気持ちよく
了解してもらえた。

あぁ。この時ほど盲人で良かったと思ったことはなかった。

後日
「お母さん。手を出して下さい。
みんなで作ったイナゴの佃煮です。
召し上がって下さいな。

ツヤツヤで
照りも良くて
美味しそうですから
たくさんあがってください。」

恐る恐る出した手の平にカレースプーン1杯ものイナゴ。

手が震えてきてしまった。

「ありがとうございます。
こんなに高価なもの。
後程、夫といただきます。」

丁寧にティッシュに包んだ。


うまくいった。

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